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荻窪圭の“這いつくばって猫に近づけ” 第501回

メカ/電子シャッターを使い分け! 暗いところで猫を撮る方法

2017年03月24日 12時00分更新

文● 荻窪圭/猫写真家

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うちの猫。暗い寝室だったけどそれを感じさせないように明るく撮ってみた。シャッタースピードは遅いので手ブレしづらいようしゃがんで身体を安定させ、電子シャッターでそっと撮る(2016年12月 オリンパス OM-D E-M1 MarkII)

うちの猫。暗い寝室だったけどそれを感じさせないように明るく撮ってみた。シャッタースピードは遅いので手ブレしづらいようしゃがんで身体を安定させ、電子シャッターでそっと撮る(2016年12月 オリンパス OM-D E-M1 MarkII)

 室内は結構暗い。気軽に撮ると手ブレしたり被写体ブレしたりする。

 暗いところで猫を撮るにはどうするか。

 まあ、部屋を思い切り明るくすればいいのだが、猫撮影のために照明大増設ってのも非現実的である。屋外で夜にふと出会った猫だったりすると照明はコントロールできないし。

 で、暗いところで猫を撮る話。

 まず何はさておき、フラッシュは発光禁止にすること。光らせない。猫は光を嫌う。いや猫に限らず私もいきなり目の前でフラッシュが光ったらイヤです。

 次は盲点であるAF補助光。

 たいていのカメラは、暗いところでのAFを助けるために「AF補助光」機能を持ってる。LEDがぱっと光ってその隙にピントを合わせるのだ。

 でもこれ、かなりまぶしい。人を撮るときでも「まぶしい」っていわれる。これ、猫も結構嫌う。少なくともうちの猫は大嫌いである。

 よって新しいカメラがうちに来たら最初に「AF補助光をオフにする」ことにしている。AF補助光がないとピントが合わないような暗い場所はそもそも猫撮影には向いてないのである。

 さてこのあと。

 そして大事なことは「猫がじっとしてる瞬間」を撮ること。暗いとシャッタースピードが遅くなるので……動いてる猫を撮るのは超高難度である。寝てたりじっとしてたりそういう瞬間を狙うべし。

ソファで寝てるうちの猫。足を抱えて寝てる姿がなかなか愛らしかったので、起こさないようそーっと電子シャッターで撮影。電子シャッターは音がしないので寝てる猫を撮るのにもいい(2017年3月 富士フイルム X-T2)

ソファで寝てるうちの猫。足を抱えて寝てる姿がなかなか愛らしかったので、起こさないようそーっと電子シャッターで撮影。電子シャッターは音がしないので寝てる猫を撮るのにもいい(2017年3月 富士フイルム X-T2)

 猫がじっとしてても手ブレしたら意味がない。

 とりあえずカメラの手ブレ補正機能さんよろしく、と祈る。

 意外に効くのが「電子シャッター」。最近のミラーレス機は「電子シャッター機能」を持ってる製品が増えてる。

 えっと、カメラのシャッターってミラーレス機でも一眼レフでも、イメージセンサーの前に「シャッター機構」を持ってる。それが素早く開いて閉じて、一瞬だけイメージセンサーに光を当てるのだ。これがメカシャッター。

 でも、イメージセンサーは電子的に動作してるので、メカシャッターがなくても写真は撮れる。

 たとえば動画時はメカシャッターを使わないし、スマホのカメラはメカシャッターを持ってない。メカを使わずイメージセンサーの機能での撮影は電子シャッターという。

 じゃあ電子シャッターだけでいいじゃん、その方がコストも安くできるし、と思うわけだが、電子シャッターは苦手なシーンがあるのだ。だからちゃんとカメラを作ろうと思うと、メカシャッターが必要になるのである。

 でも、メカシャッターは「メカ」であるから、物理的な動作を伴う。これ、実は微妙な手ブレの原因になるのだ。

 電子シャッターにした方が「手ブレしづらい」のである。

 だから暗い場所で遅いシャッタースピードで撮りたいときは「電子シャッター」モードにするといい(静音モードやサイレントモードと呼んでるカメラもある)。

団地の暗い駐輪場に猫がいたのでそっとしゃがんで狙ってみた(2016年12月 オリンパス OM-D E-M1)

団地の暗い駐輪場に猫がいたのでそっとしゃがんで狙ってみた(2016年12月 オリンパス OM-D E-M1)

 ISO感度を上げるとシャッタースピードも上げられるのだが、感度をムリに上げる分、どうしても画質が落ちる。

 そのときもあえてシャッタースピードを遅くして、電子シャッターにして撮るってのは手だ。

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