シーンに合わせディスプレーが360度回転
「Spectre x360 13」の大きな特徴になっているのが、その360度回転するディスプレーだ。ディスプレーの角度を変えることで「ノートブック」、「タブレット」、「テント」、「スタンド」の4つのモードに変更できる。
そのうち「ノートブック」は、一般的なクラムシェル型ノートと同じ感覚で使用可能なモード。実際にさまざまな場所で使ってみたが、ヒンジのガタつきやつっかえもなく、閉じた状態から指一本でスムーズにディスプレーを開いて任意の角度でしっかり固定できた。13.3型という標準的な画面サイズながら、液晶パネル周辺のベゼルが狭いためか画面への没入感が高く、作業に集中しやすいのも好印象だった。
ちなみにディスプレーは180度開くことも可能。この角度だと対面相手からも画面が見やすいため、打ち合わせなどで相手に画面を見せながら操作するのに適している。その場合、自分も相手も斜めから画面をのぞきこむことになるが、液晶パネルの視野角が広く、真横に近い角度から見ても色の変化がほとんどないため画面内容は確認しやすかった。
「タブレット」モードは液晶ディスプレー側を表にして本体を完全に二つ折りにした状態。ピュアタブレット端末と比べるとキーボードがあるぶん厚みや重さ、持ちやすさの面で不利だが、「Spectre x360 13」の場合は最厚部でも14.9mmとスリムなため思ったよりも持ちやすかった。質量も前モデルに比べれば140gほど軽くなり、片手でもだいぶ支えやすくなっている。もっとも、そうは言っても1.31kgあるので、長時間片手で持ち続けるのはやはりツライ。Webや資料をちょっと参考にしたい時に使ったり、他のモードで使用中にタッチ操作したいときにサッと変形して使ったりするのに向いていると感じた。
なお、上位機の「パフォーマンスモデル」にはMicrosoft Penプロトコルに対応した電池式のアクティブぺンが付属し、筆圧感知を利用したペン入力を行える。同モデルは4K液晶ディスプレーと1TB SSDを搭載し、ペンが付属して17万9800円から(税別)という価格(HP Directplus)。「スタンダードモデル」との差はわずか2万円しかない。
「パフォーマンスモデル」の性能の高さを考えると、メモ取りやお絵かきなどでペンを使ってみたいという方をはじめ、多くの方に魅力的な選択肢になるはずだ。
「テント」モードは文字どおりテント状に置くスタイルで、狭い場所にも置きやすいのがメリットだが、液晶ディスプレーの天地が逆になり内蔵カメラの位置が画面の下にくるためビデオチャットなどにはあまり向いていない。また、ディスプレーの角度によっては画面を指で押した際に本体が動きやすく不安定なので、頻繁なタッチ操作が求められる場合には注意が必要だが、動画のようにもっぱら鑑賞のみというコンテンツには最適だ。
「スタンド」は、静止画やWebの閲覧など、ビューアとして使用するのに最適なモード。「テント」モードよりも設置面積は大きくなるが、そのぶん安定感はあるので、画面をタッチした際に本体が動いてしまうことも少ない。Webカメラの位置も画面の上になるので、ビデオチャットでも使いやすそうだと感じた。
なお、「タブレット」、「テント」、「スタンド」の各モードでは、キーボード入力は自動的に無効になり、うっかりキーを押してしまっても誤作動の心配はいらない。もちろん選択したモードに合わせて画面の向きなども自動的に切り替わるので、ノートブックからタブレットに、テントからスタンドに、と言った具合にモードを変更する場合もスムーズだ。