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「インメモリ」「ビッグデータ」「クラウド環境」、米オラクルのメンデルソン氏が語る

「Oracle DB 12c R2」一般提供開始、機能強化ポイントは3つ

2017年03月09日 07時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 日本オラクルは3月8日、同社のデータベース製品「Oracle Database 12c Release2(Oracle DB 12.2)」のオンプレミス向け一般提供開始を発表した。同日の記者向けラウンドテーブルでは、米オラクルのアンディ・メンデルソン氏が、同リリースにおける機能強化点やオラクルのビジョンを説明した。

米オラクル データベース・サーバー技術担当 EVPのアンディ・メンデルソン(Andy Mendelsohn)氏

「Oracle Database 12c Release2」の機能強化ポイントを3つにまとめて説明した

「インメモリ」「ビッグデータ」「クラウド環境」対応を強化した新機能群

 今回のリリースは、2013年7月のOracle DB 12c Release 1からおよそ3年半ぶりの機能強化リリースとなる。昨年9月開催の「Oracle OpenWorld 2016」で発表されたあと、“クラウドファースト”の方針にのっとり、Oracle Cloud上のDBaaSとして先行提供がスタートしていた。今回の発表で、オンプレミス環境(Windows、Linux、Solaris)向けにも一般提供を開始する。

 メンデルソン氏は、Oracle DB 12c R2における新機能/機能強化点を「インメモリDB」「ビッグデータ」「クラウド環境への最適化」の3つにまとめ説明した。

 まずインメモリDBでは、処理パフォーマンスが大幅に向上している。たとえばジョインは最大3倍、圧縮済みDBに対するクエリは最大10倍、そしてJSONクエリは最大60倍に高速化したと、メンデルソン氏は説明した。

 またExadata環境においては、新たに「Active Data Guard」のスタンバイ環境でもインメモリカラムストアを利用可能になった。これにより、本番環境に影響を与えることなく、スタンバイ環境側でデータのリアルタイム分析処理ができる。

 なお、来年(2018年)にはインテルが、従来のハードディスクに代わる大容量/高速なNon-Volatile Memory(NVM、不揮発性メモリ)を製品出荷開始するとされる。これについてメンデルソン氏は「ストレージおよびDBの市場に大きな変化をもたらすだろう」と述べ、Oracle DBでもNVMに最適化していく方針を示した。すでにOracle DB 12.2でも一部機能でNVMサポートを開始しており、今後さらにサポートを拡充していく。

「Active Data Guard」のスタンバイ環境でもインメモリカラムストアが利用できるようになり、リアルタイム分析処理がオフロード可能に

 次にビッグデータだ。エンタープライズ顧客においても、かつての業務アプリケーション/リレーショナルDBだけでなく、非構造化データやIoTデータなど、HadoopやNoSQLを用いて多様なデータソース/データタイプに対応し、柔軟な手法でアナリティクスができる環境が求められている。

 オラクルではすでに「Oracle Big Data Platform」を提供しており、多様なデータソース/データタイプ/分析方法/分析言語をシームレスに利用できる。特に「Oracle Big Data SQL」と呼ばれる機能では、あらゆるデータソースに対して透過的かつ高速にSQLクエリを実行できる。

 そして、今回のOracle DB 12.2においては、上述のBig Data SQLにおいてJSONデータも透過的に扱えるようになった。どんなデータソースにあるJSONデータに対しても、ネイティブなSQL構文で書いたクエリを高速に実行できる。

「Oracle Big Data SQL」において、JSONデータに対してもSQL構文でのクエリが可能になった

 最後にクラウド環境への最適化である。Oracle DB 12cではRelease 1の段階から、プライベートクラウド/パブリッククラウド環境での効率化を目的としたマルチテナントアーキテクチャを採用している。

 これは、1つのコンテナデータベース(管理単位)に対し、複数のプラガブルデータベース(PDB)を“プラグ(接続)”するかたちのアーキテクチャであり、複数のDBを個別の仮想マシンに格納する従来の手法よりも、はるかに多くのデータベースを1マシン上に格納でき、運用管理コストも下がる仕組みだ。オンプレミス/クラウドをまたぐDBの可搬性も大きく向上している。

Oracle DB 12cの「マルチテナントアーキテクチャ」

 今回の12.2では、1つのコンテナDBに格納できるPDBの最大数が、256から4096へと拡張され、より大規模な環境にも対応できるようになった。そのほかにも、PDBごとのリソース(メモリ、CPU、I/O)優先順位付け、コンテナDBにおける他ユーザーとの分離/共有設定、PDB間でメタデータやデータの共有を可能にする「アプリケーションコンテナ」などの機能が追加されている。

 さらに、オンライン状態のままでPDBをクローンできる機能、テスト環境のコピーPDBを本番環境のPDBと同じ状態にリフレッシュする機能、ダウンタイムなしでPDBを別のコンテナに再配置できる機能も追加され、可搬性に迅速性が加わっている。

Oracle DB 12.2では、プラガブルDB(PDB)の管理機能が強化され、プラットフォーム間での移動もより柔軟になった

 オラクル独自のクラスタ機構「Oracle RAC」でも、クラウド志向の大規模なマルチテナント環境に対応した。スケールアウト規模が従来の最大64ノードから数百ノードへと拡大したほか、ノード間でバッファキャッシュデータを共有する「Cache Fusionアーキテクチャ」がマルチテナント環境に最適化されている。

 加えて、12.2のRACクラスタでは、1つの巨大DBを最大1000の小さなDBに分割して扱う「シャーディング」処理が自動化され、複数の地域に分散したシャードを容易に扱えるようになっている。

Oracle DB 12.2ではシャーディング処理が自動化された

AWSなどへの競合優位性は「多様な導入モデル」と「テクノロジー」

 メンデルソン氏は、AWSやマイクロソフトといったクラウド市場での競合ベンダーを強く意識したメッセージも語った。

 「オラクルの場合は、パブリッククラウドだけでなく顧客データセンターでも、さらにソフトウェアだけでなくハードウェアでも提供できる。加えて、顧客自身で管理することも、オラクルが管理することもできる。特に大手の顧客にとっては、こうした特徴が重要になってきている。大手顧客はすでに自社データセンターに投資しており、人材も採用しているため、単純に『すべてをクラウドに移行しよう』とは考えていない。だが同時に、迅速性や従量課金制など、クラウドのメリットは享受したいと考えている」(メンデルソン氏)

 その特徴的なサービスとして、オラクルでは「Cloud @ Customer」を昨年12月より提供している。顧客データセンターにExadata Cloud Machineが設置されるが、その運用管理はオラクルが担当し、顧客はサブスクリプションモデルで購入できるというモデルだ。そのほかの利用モデルも含め、こうした多様性が「エンタープライズがオラクルとAWSやマイクロソフトを比較するときに、重要な差別化ポイントになる」と述べた。そのほか、Oracle DB自体が備える高度なテクノロジーも強調した。

Exadataの利用形態も、オンプレミス型/マネージドサービス型/パブリッククラウド型の3つがあり、顧客ニーズに応じて提供できる

 また、Oracle DB 12c(R1)から新たに加わったマルチテナントアーキテクチャの導入動向については、オンプレミスのプライベートクラウドを構築しているエンタープライズ顧客、およびクラウドサービスを提供するサービスプロバイダー顧客においてそれぞれ採用が進んでいると述べた。

 「ニューヨークのある大手銀行では、15、16のコンテナDBを設け、社内向けのプライベートDBサービスを提供して、さまざまなアプリケーションに対応している。そのうえで、古い(DBの)インフラから新環境への移行を進めている。また日本の事例では、大手SIerが数百のPDBをホスティングし、異なる自治体向けにアプリケーションサービスを展開しようとしている。クラウドサービス基盤としては、SASがExadata上で(12cを)利用し、マルチテナントサービスを提供している。そして、オラクル自身ももちろん、Oracle CloudのSaaSを提供するために活用している」(メンデルソン氏)

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