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確定申告スペシャルインタビュー

電子書籍で2億9000万円 漫画家・佐藤秀峰さんの収支報告

2017年03月01日 13時00分更新

文● 盛田 諒(Ryo Morita)

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2年目……二次利用フリー効果で黒字転換

【平成24年11月1日
~平成25年10月31日】
売上 110,442,894円
利益 27,833,385円

── 2年目は売上も伸び、利益も出ています。

 前年の売り上げを見て、予算を少し下げたんですよ。だけど、売上は1億1000万円に伸びたので、純利益が2700万円くらいですね。前年が1000万円くらい赤字でしたけど、2年トータルで考えれば1800万円くらいはプラスかなと。

── これは何が利いたんでしょう?

 『ブラックジャックによろしく』を二次利用フリーにした影響で、電子書籍の分野でぼくの著作が相当売れたんです。

── とくに新作をたくさん描いていたわけではなかった?

 そうですね。前年までは出版社からいただく収入のほうが多かったくらいなんですけど、2013年からは電子書籍の収入がメインになってきたんですね。二次利用フリーにしたことで、グンと急に上がったんですよね。

── 作品を無料にすることで売上が増えるのは不思議ですね。

 二次利用フリーにしたことで、日本中のあらゆる電子書籍ストアで『ブラックジャックによろしく』が無料配信されるようになったんです。そうすると「『新ブラックジャックによろしく』があるらしい」「『海猿』というものも描いている人らしい」「それも読みたいな」ということになってくる。無料で13冊を読んだら、他にもこの作家の作品を読んでみたいと。

 そうすると何十社という電子書籍ストアから「他の作品も配信してくれませんか」という問い合わせがサイトを通じてぼくに直接来るようになった。それを1つ1つ契約していった。それが2013年です。なので『ブラックジャックによろしく』はタダで読めるんですけど、ほかの作品が売れて、一気に黒字になった感じです。

── すごいですね。新商品開発も、設備投資も、人員増強もなく、黒字。

Webスタッフを1人増やしたかもしれないですけど、その程度でした。

── 大成功です。

 そうですね、このときはよかったんですけど、このあとがよくなくて……

── いやな「つづき」が入りますね……

オフィスは一部を作業所として貸し出している

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