低域ガンガンの曲の再生はまったく不向き
サウンドイヤーカフは従来の多くのメーカーが目指してきたマルチドライバー、ハイ・フィデリティー、ハイプライスなハイレゾ音源にマッチした高級イヤフォンではないらしい。
購入前から、あちこちの試聴レポートを読んではいたが、実際に自分の耳で聴いてみると、その新しいスタイルへのこだわりが半端ではないことがよくわかった。
普段筆者が聴いているCDを8枚ほど選んで、代表的な曲をAndroidとiPhoneでもう一度リッピングして聴いてみた。
実際に聴いて驚いたのは、あまりにも割り切った低域のなさだった。すでに他の人の視聴レポートにもあったのだが、まだかすかに期待を持っていたところ、それは見事に裏切られる結果となった。
感覚的には、ウーファーの結線が外れて音のしない3ウェイスピーカーを遠くから聴いているような感じだ。時にベースの音は、ダンボールをドラムスティックで叩いているような奇妙な音にも聴こえた。
低域が聴こえにくい時の基本的な対応策は音楽全体のボリュームをアップすることだが、実際にやってみると確かに低域の量感は比例的に増すが、周囲にはバンバンと音漏れがしてしまう。これでは出来のよくない骨伝導イヤフォンや、オープンエア型のヘッドフォンと同じだ。
気を取り直して、低域成分の少ないカフェミュージック的ないくつかの音源を先ほどと同じくAndroidとiPhoneの2つで聴いてみた。ソース内に初めからそれほど低域成分が入っていないので、先程ほどの違和感はない。
やはりサウンドイヤーカフは、ジムなどでトレーニングしながらや屋外をジョギングしながら環境音楽として気にならない程度の音圧でずっと聴こえていればいいという、環境ミュージックやBGM的に利用するのが前提のようだ。
ただし、どんな音楽ソースを聴いても全体的な音のイメージは、ドンシャリ系の“ドン”のない“シャリ”系の音の連続だ。
実際に、カフェの天井のどこかで鳴っている名前も知らないセンス良さげな音楽を好むユーザー層にはぴったりかもしれない。
サウンドイヤーカフは目立つ外観やカラーゆえ、“ドヤ・イヤフォン”の最右翼としてドヤ家電の仲間入りはできそうだ。
残念ながら、サウンドイヤーカフは、ブラスロックやハードロック、ジャズ系の音楽を没入型で聴く筆者には“猫に小判”“豚に真珠”の状況だ。
交響曲やオペラなどもかなり厳しい評価になるだろう。やはり商品紹介にあるように、サウンドイヤーカフはイージーリスニング系の“爽やかミュージックを聞き流す”感じで聴くイヤフォンだろう。
実際に、商品が届いてから寝る時間以外はずっとサウンドイヤーカフを取り付けたiPod Shuffleを家の中でも外出中も肌身離さず付けて生活してみた。
約2日間、自宅にいても宅配便のインターフォンの音は確実に聞こえるし、カウンター式の騒がしい中華料理店でも音楽を聴きながらメニューを見て注文、質疑応答できる。コンビニのレジでの会話も問題なく可能だった。
この連載の記事
-
第782回
スマホ
6万9800円で「nubia Flip 5G」折りたたみスマホを衝動買い -
第781回
トピックス
真ん丸の外観に惹かれ円盤型「UFOマウス」を衝動買いしたが…… -
第780回
トピックス
好みの時間を設定可能、乾電池式「ポモドーロタイマー」を衝動買い -
第779回
トピックス
レノボとAmazonベーシックのお勧め「ラップトップスタンド」を衝動買い -
第778回
トピックス
折ってちぎって6人で使える「Paper Pens」を衝動買い -
第777回
トピックス
ゲオでレトロ感満載「FM付き レトロスピーカー」を衝動買い -
第776回
トピックス
発売日に電子メモ「Boogie Board(papery)」を予約衝動買い -
第775回
トピックス
ユーザー評価の高いJPRiDE「model i ANC」を手に入れた! -
第774回
トピックス
割り切りが素晴らしい3COINSの3300円スマートウォッチを衝動買い -
第773回
トピックス
Galaxy純正の遺失物トレースタグ「SmartTag2」を衝動買い -
第772回
トピックス
昭和レトロなプレーヤー復刻版「サウンドバーガー」を衝動買い - この連載の一覧へ