刃を削ったりしてステンシルマシンを完璧にレストアしました

2017年01月29日 17時00分更新

文● にゃかむら（@TK6506）、編集●アスキー

直ったかと思いきや……

　まずは刃の付いた円盤を元どおりセットしますが、この段階でもう感触が違います。なんだかものすごくスムーズな予感。試しに勢いを付けて回してみたら、案の定音もなくスーッと回転しました。掃除前は手で動かすことはできるというレベルだったのに段違いです。こんなにクルクルと回るだなんて、なんだか感動的！

手で回すとスーッと回転します。気持ちいい～

　ガワやハンドルは家庭用のクリーナーで拭いた程度です。傷があったり色がついてしまっていたり真っ黒だったりしていますが、ハンヴィーもそうなんですけど、ある程度はそのままの方が味があっていいかなと思って。手が汚れなければオーケーです。

　組み立てが終わったところでひとつ問題が発生しました。紙を押さえるローラーを下げるレバーは下がり切ったところでロックされるはずなのですが、まったくその気配がありません。撮影しておいた写真のとおりに組み立てたのに、なんだよーと。

　どうやら、以前はホコリで動きが鈍くなっていたためロックされたように見えていただけで、その状態ではちゃんと動いていなかったみたいです。この調整にはだいぶ字間を取られましたが、知り合いに送ってもらった写真を見たり、さんざん考えたりしてなんとかロックするようになりました。

　まだちょっと怪しいですが、一応動作するようになったので気を取り直してテストをしてみます。

　まず驚いたのは、最初の状態がウソのように軽い力でレバーを押せたこと。結構体重をかけてグイグイ押していたんですが、ちょっと力を入れるだけでスイッという感じで押すことができます。まさかこんなに違うとは！

　ハンドルも引っかかることなく回り、レバーを押せなかった6文字もバッチリ。よし直った！　と思ったんですが、紙を取り出してみると「B」が抜けきれず、一部切れ目が付いているだけでした。惜しい！

紙押さえローラーを下げるレバーの調整に手間取りましたが、無事組み立て完了

直ったかと思いきや、Bが打ち抜けてませんでした。字間はいい感じ

せっかくなので完璧にしたいのです

　刃と枠は交換が可能で、簡単に外すことができます。外して確認してみると、ほかの刃は枠にピタッとハマるんですが、Bはほんの少ししか入りませんでした。刃のフチになにかにぶつかったような跡があるので、どうやらそこが変形してしまってるみたいです。交換はいつでもできるので、ここは修理にトライしてみます。

　刃のフチを撫でると引っかかるところがあったので、それをルーターで削ってみましたが、やはり枠には入りません。次に刃を強めに押し込んでみたら、刃の側面が枠で削れてしまいました。これをアタリにして削っちゃえばいいやと思い、残った段差部分をルーターで削りました。押し込んでは削るというのを何度か繰り返したら、ピタッとハマるようになりました。

ルーターで刃を削って修正しました

　前回書いたとおり、ハンドルは2ヵ所で折れていました。本体をひっくり返すときに、ちゃんと持ち上げずに転がすようにするとハンドルに強い力がかかるので、どこかで誰かがやっちゃったんじゃないかと思います。せっかくここまで直したんで、ハンドルも修理してみることにしました。

ハンドルがガッツリ折れてます

　用意したのはプラリペアという補修剤。粉と液剤を混ぜると固まるという商品なんですが、瞬着パテみたいなものなのかな？　何年も前から一度使ってみたいと思っていたのでちょうどいい機会です。

　まず、接着面積を増やすため、割れた部分に沿って両側をルーターで削って溝を作りました。次に割れたところを押し広げて接着面にプラリペアを薄く塗り、スリスリと摺り合わせて密着させます。最後に溝にプラリペアを充填していけば完了です。見えなくなる部分なので、ペーパー掛けや塗装はしていません。やりっ放しです。