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業界人の《ことば》から 第224回

妥協のMacBookから乗り換えも、日本HPのノートPCが売れている

2016年12月06日 09時00分更新

文● 大河原克行、編集●ASCII.jp

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生産は15%増で体制は100人減

 2016年6月から移転稼働した日本HP 東京ファクトリー&ロジスティックスパークは、JR中央線豊田駅から車で約5分に位置する平山工業団地内の三井不動産ロジスティクスパーク(MFLP)日野のなかにある。

 もともとこの場所は東芝日野工場があったところで、かつては東芝製の携帯電話を生産していた。

 日本HPでは今回の移転にともない、昭島工場とは別に設置していた東京・八王子市の部品倉庫と、千葉県成田市の完成品倉庫も統合。1万9000平方メートルの広さは、昭島工場のPC生産ラインおよび関連エリア、そして、2つの倉庫をあわせた面積とほぼ同じだという。

 だが拠点の統合によって、同じ面積を持ちながらも効率化が図られているのは明らかで、生産ラインにおいては昭島工場時代と同じ8本の生産ラインを持ちながら、一直線でラインを構成できるメリットなどを生かして、生産数量は15%向上。7ラインを動かすだけで、昭島工場と同じ1日6000台以上の生産が可能だという。シンプルな生産ラインの構成は、今後のライン拡張につなげやすいといったメリットもある。

 また昭島工場時代には、3つの拠点を合わせて約600人体制で運用していたが、新体制では拠点統合の成果もあり、約500人体制で運用。これも効率化のひとつといえる。

生産ラインが整然としているのがわかる

 ちなみに新たな生産拠点では、すべての生産ラインでデスクトップPC、ノートPC、ワークステーション、タブレットの生産が可能になっている。これも効率性の向上につながっている。

 日本HPの岡隆史社長は「今後の日本におけるPCおよびプリンタービジネスの拡大に向けて、余力を持った体制へと移行する狙いが大きい」と、日本HP 東京ファクトリー&ロジスティックスパークへの移転の狙いを語る。

 「時速300kmを出すことができるクルマが100kmで走行するのと、120kmしかでないクルマが100kmを出すのでは、クルマの安定感が違うのは明らか。生産工程もキャパシティーに余裕を持つことで、同様の効果が生まれるはず」と語る。

 日本HP 東京ファクトリー&ロジスティックスパークでは、昭島工場に比べて、20~25%の生産効率化を目指すことができる拠点と見込んでおり、生産台数も1日8000~9000台規模に拡大でき、今後の国内シェアの拡大にも対応できるとする。

 実際、日本HPの国内シェアは上昇している。

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