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肉食ナベコの「なんでも食べてみる」 第199回

「一風堂 西五反田スタンド」に行ってきた

一風堂で立ち飲み ラーメン店なのに日本酒がウマぁいー!!

2016年12月02日 17時26分更新

文● ナベコ

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 お酒を飲んだ〆にラーメン店へ。そこでさらにお酒を飲み……。なんてことありませんか? せっかくならはじめからラーメン店で酒を飲めばいい、そんな時にぴったりな一風堂です。

一風堂の「立ち飲み」業態とは

 博多ラーメンの「一風堂」に、日本酒やおつまみメニューを揃えた“立ち飲み”スタイルの店舗が今年新しくできたのをご存知でしょうか? 立ち飲みできる「一風堂スタンド」は今年7月に浜松町にオープン。10月には五反田に2号店がオープンしました。

「一風堂 西五反田スタンド」。五反田の東口には別途通常の一風堂があります。

 最近、ファストフード店で「ちょい飲みできる」というのを売りにするところが増えてきています。立ち飲みであるというだけにコスパの良さは期待できそう。でも、もともと一風堂ってお酒を飲めるし……。

 ……なんて「ただ時流に乗ったのかな」という予想は実際に足を運んでみて覆りました。想像以上に内容が充実していたのです。

なぬっ、ラーメン店だけど日本酒が自慢

 「一風堂 西五反田スタンド」に行ってみました。一見よくあるカウンターのラーメン店のような内装なのですが、椅子がなくてお客さんはスタンディングスタイル。ランチタイムは椅子を用意しており、17時からスタンドになります。

一見普通のカウンターのラーメン店のよう。ですが椅子がない。

日本酒が並んでいます!

 店内の奥に行ってみて目に入ったのは、壁に書かれている「ライト・リッチ」「クラシック・モダン」で軸が書かれたチャート。これ、なにを言っているかというと、日本酒のことなんですって。

 用意している日本酒は基本的に4種。その時の仕入れで内容は変わります。銘柄で選ぶのではなく、チャートで好みを選んで注文できるという仕組みになっています。日本酒に詳しくない人でもわかりやすいですね。各500円。

「ライト・リッチ」「クラシック・モダン」のチャート。感覚的に、自分が好きそうなところを選んでみるのが吉。

 ラーメンというと合うお酒はなんだと思いますか? 私は真っ先にビール、と思い浮かべました。あるいは紹興酒とか。ですが、日本酒を一番の売りにしているとは。

 一風堂スタンドでは、博多の酒屋「住吉酒販」から仕入れ。この日店舗に置いてある銘柄を見ると、都内ではなかな見かけないものばかりでしたよ。これは日本酒好きとして飲むのが楽しみです。

「おいしい日本酒と、締めのラーメン」がテーマ。

 ラーメン店で飲む日本酒の味はいかに。

西五反田スタンド限定でクラフトビールもある

 そもそも、なぜ一風堂で立ち飲みなのか。海外の一風堂では待ち時間も楽しめるようにウェイティングバーを用意しているところもあるのですが、それが評判良く、バーだけを利用して帰る人もいるそうです。

 国内でも気軽に一風堂を楽しんでもらいたい、ラーメン店だけどラーメンを食べずに少しお酒を飲んでもらってもいい、そんな思いで立ち飲み業態を考えたそうです。

もともと一風堂では、お酒を飲んだ〆にラーメンを食べに来た人が、付け合せである辛子もやしなどをつまみにビールを飲むという光景がよく見られるそう。

 ウェイティングバーって海外らしい発想ですよね。ウェイティングバーとラーメン店本体が一緒になったのが、一風堂スタンドと言えるのかもしれません。

 さて、1杯目は喉が渇いているのでビールが飲みたい。ドリンクメニューにはクラフトビールがありました。これは西五反田スタンド限定。一風堂スタンドの浜松町店にもありません。

 「常陸野ネスト ラガー」「常陸野ネスト アンバーエール」は各680円。少し高いですがビール好きにはうれしい。

1杯目は「常陸野ネスト ラガー」を頼みました。680円。

 なお、通常の「アサヒスーパードライ」は中瓶500円、ハイボール、レモンチューハイ、ウーロンハイは各350円です。

常陸野ネストのビール2種は樽生で提供してくれます。クラフトビール好きなのでつい頼んじゃいました。

2杯目は「常陸野ネスト アンバーエール」。同じく680円。

 喉を潤すためにクラフトビールをキュッキュと2杯飲んでしまいました。専用のグラスが小さめなのですよ(言い訳)。ちょっと飲み過ぎたなと思ってもスタンディングだと自分の足で立っている感覚があるから、深酒になりにくいのが良いですよね。持論ですが。

博多風の「かまバタ」めちゃうま

 気軽につまめるおつまみメニューも20種近く用意されています。頼んだのは、東京だとあまりきかない「かまバタ」。価格は350円。博多ではよく食べられているそうです。

これが「かまバタ」。350円。かまぼこをバターで焼いて、紅ショウガを乗せています。マヨネーズを添えているのがポイント。

 これはビールの最強のつまみです。バターがこってり、油味がたっぷりです。しっかり味がついており、紅ショウガ、マヨネーズを乗せるとややジャンキーな味わい。それが良いです。記者は初めて食べましたが家でもマネしてつくってみたい。

ビールが進む!

 お次は「パクチー鯖缶」。価格は550円。

「パクチー鯖缶」。550円。

 缶詰ごと出てくるのが立ち飲み屋らしいですね。うれしいことに、冷たいままではなく、湯煎して温かい状態で出してくれます。

缶詰。温かいのがうれしい。

 パクチーと鯖は、合うような、そうでもないような。パクチー好きにはうれしいこと間違いないでしょう。食べごたえあります。

日本酒、ウマぁい!!

 いよいよ日本酒に。繰り返しになりますが、仕入れている日本酒はその時ごとに変わるので、店員さんにはチャートの中から自分の好みを言ってオーダーするという仕組み。私が頼んだのは「モダン・リッチ」。

花の香 六十餘洲という日本酒を出してくれました。珍しい。

 お猪口一杯(90cc)で500円。東京ではなかなか見かけない珍しい日本酒なので、ワンコインで飲めるのであれば不満はないと思いました。ちなみにこのお猪口、ラーメンの丼のかたちです。かわいくないですか?

お猪口はラーメンの丼の形。

 特注でひとつひとつ有田焼きで焼き上げているそうです。

 さて、日本酒の味は。

いただきます。日本酒大好き。

 美味! リッチ、と表現されているので香り華やかでかつ適度な重みがあり、それでいてモダンだからか後味は軽いです。飲みやすく、とてもバランスが良い味わいでした。

 どういうのがモダンで、どういうのがクラシックか。言葉の感覚ではわからない部分があり、一度4種をいっきに飲み比べたい、そんな願望がわいてきましたよ。

ピクルスの味噌漬け、めっちゃ日本酒に合う

 さて、日本酒のおつまみとして注目したいのは「オリーブとピクルスの味噌漬け」。価格は350円。これ、めちゃくちゃおいしいです。

「オリーブとピクルスの味噌漬け」(350円)

 ただのピクルスかと思ったら、味噌に漬けている味がまろやか。削りチーズがかかっており、これがまたいい。発酵食品同士だから味噌とチーズって相性がいいんですよね。適度なコクが口の中に残って、日本酒で流し込むのに最適。

味噌のコクがあってめちゃうまい。家でも試してみたい。

 思いがけずに日本酒の最高の肴に出会ってしまった気分。日本酒好きの人は、訪れたら必ず食べて欲しいです。おいしいのでビールなどにも合うのですが、このまろやかな味わいは日本酒に最適ですよ。

「ラーメン豆天3種」(350円)

 こちらは「ラーメン豆天3種」。350円。さつま揚げのことです。ラーメンに使われる、あおさ、きくらげ、紅ショウガの具材を盛り込んださつま揚げのこと。上品でふっくらした味わいなので、こちらも日本酒にぴったり。記者が一番気に入ったのは意外な食感だった“きくらげ”。

〆はラーメンで!

 ビール2杯と日本酒でつまみも食べ、お腹は9分目程度。ですが最後にはやっぱり一風堂のラーメンを食べたい!

「赤丸新味」(850円)

 一風堂と言えば“白丸”と“赤丸”。あっさりした白丸もいいですが、味に深みがある赤丸を飲んだ後に食べたくなりましたよ。今回「赤丸新味」を頼みました。価格は850円。

ふぉおおお! うまっ!!

 お・い・し・い~。飲んだ後のラーメンってなんでこんなにおいしいのでしょう。一風堂の赤丸は、辛みそと香味油でコクがあるのにスープはまろやか。とんこつラーメンにありがちが独特の臭さがなくって、心なしか胃にも優しい気がします(事実、翌日胃もたれしていませんでした)。

 お酒を飲んでそのまま〆のラーメンまで食べられるのは便利。ついつい〆まで食べちゃうという意味では、ダイエット的な観点でいうと危険なお店(笑)。ハーフサイズのラーメンもあるといいなと思いました。限定の店舗でしか扱っていない、「白丸とんこつ 百年豆腐」(720円)もあるのでそちらを検討するといいかもしれません。

ダイエット的に禁断の〆ラーメンが進んでしまうのはある意味で罪。

 ……お店の人にきいたところ、ラーメンを食べずに帰るお客さんもよくいるそうなので、「ラーメン店だからラーメンを食べなきゃ」という気負いはぜんぜんなくていいということ。欲望に打ち勝てるかどうかは自分次第なわけですね。

スタンディングなので気軽に入れる

 行ってみて驚いたのは日本酒が本格的であったこと。東京ではあまり見かけない銘柄もあって、すべて500円。その時によって変わるというので、近くに会社があればふらっと立ち寄って酒1杯だけでも飲んでいきたくなります。スタンディングだから、そんな飲み方も実際に可能、というのがうれしいですよ。

店内の看板には熱燗を始めた旨がが書かれていました。これからの季節熱燗はいいですね。

 使った額はクラフトビール2杯、日本酒1杯、つまみ4点、ラーメンまで食べて3000円強。今回はおつまみを取材用にとたくさん頼みましたが、例えば日本酒を2杯、つまみを1点だったら1500円前後。ラーメンを食べると2000円強。

 質の良い日本酒を飲むためにフラッと立ち寄り、ラーメンで食事も済ませて帰ってこの値段だったらなかなか悪くはないですよ。編集部の近くでもやってほしい。

カメラを向けると想像以上にはっちゃけた明るい笑顔を向けてくれた店員さん方。「立ち飲み店舗だとお客様との会話も増えて楽しい」ということ。仲良さそうでいいなぁ。

 冒頭にも書きましたが一風堂スタンドは現在、浜松町と西五反田の2店舗。取材で訪れたのは一風堂 西五反田スタンドですが、五反田には東口に通常の一風堂もあります。訪れる際は西口と東口でおまちがえないように。


「一風堂 西五反田スタンド」
住所:東京都品川区西五反田1-25-5
軒 営業時間:月~木 11時-24時/金.土.祝前日11時-翌3時
定休日:日曜


ナベコ

寅年生まれ、肉食女子。特技は酒癖が悪いことで、のび太君同様どこでも寝られる。30歳になったので写経を体験したい。Facebookやってます!

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