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2370万円のスーパーカー「ホンダ NSX」の凄さは渋滞でもビンビンに感じられる!

2016年11月23日 15時00分更新

文● 山本晋也 車両協力●ホンダ

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シーンに応じてクルマのセッティングを
ガラリとかえるダイナミックモード

 NSXには「ダイナミックモード」といって、パワートレイン、サスペンション、ステアリングなどの特性を4つのプリセットから選ぶ機能が備わっている。その中で、もっともおとなしく走るための「QUIET」モードを選んでいれば、可能な限りEV状態(つまりフロントのみで駆動する!)で走ってくれるのだ。そのほか「SPORT」、「SPORT+」、「TRACK」とあり、それぞれシフト前のダイヤルを回すことで選択可能。

 シフトといえば、最近のホンダ車に増えているボタンを使ったセレクターで、マニュアル変速はステアリングについたパドルで行なうタイプ。つまり、走り出してしまえば、両手はずっとステアリングを握っていることになる。自然と、こうしたドライビングスタイルになることも、クルマとの一体感を強めてくれる理由のひとつだろう。

 今回は公道試乗ということもあり、ほとんどを「QUIET」と「SPORT」モードで走ることにした。どんなに頑張っても法定速度でNSXの限界性能を感じるのは難しいだろうから、日常域でどれだけスーパースポーツの片鱗を感じることができるのかを探ってみようというのがテーマだ。

エンジンの後ろに小さなトランクを持つNSX。フロントはラジエーターや駆動モーターなどがギッシリと詰め込まれている

 結論からいえば、渋滞中でもNSXの凄さ、とくにハンドリング性能の素晴らしさは体感できる。フロントタイヤの駆動トルク移動を軸としたパワートレインは「スポーツハイブリッドSH-AWD」と名付けられているが、その効果は30km/hくらいでステアリングを操作したときにも感じられたのだ。低速ではステアリング系の遊び(操作から動き出しまでのタイムラグ)が気になるものだが、NSXについてはそれがほとんどない。まさに心のままに曲がっていくという印象を受ける。逆に、リニアリティを追求してメカニカルな遊びを減らしていくと、操作がシビアで難しくなりがちだが、そうした印象もない。つまり、「スポーツハイブリッドSH-AWD」の効果は市街地走行の領域でも存分に味わえる。そして、このメカニズムが世界のスーパースポーツにおいても唯一無二の特徴である。

逆台形のマフラーエンド。その中に大小4本のパイプが並んでいる。排気音はターボらしい低音系で、快音という印象ではない

 そのうえ、旋回速度は明らかに速い。直線からコーナーに入るときも最小限の減速で済むのは実感できる違いだ。絶対性能ではないが、公道走行においてもパフォーマンスの高さを感じることができる。それは「QUIET」モードでも変わらない。ちなみに「ダイナミックモード」でサーキット走行向けの「TRACK」を選ぶには停止状態でダイヤルを長操作する必要があり、走りながら変えることはできない。

 せっかくなので、そのモードも選んでみたが、磁性体を使った可変サスペンションはサーキット指向の硬いフィーリングとなり、当然ながら街乗りではオススメできない。市街地であれば「QUIET」か「SPORT」を選んでおきたい。ただし、「TRACK」モードはアクセルペダルの操作に対するリニア感が優れているのが魅力。現時点では、「ダイナミックモード」に好みの組み合わせを作るといった機能は設定されていないが、「SPORT」モードのサスペンションに、「TRACK」モードのパワートレインとステアリングを組み合わせたモードを試してみたくなる。

 だからといって電子制御に乗せられているという感覚はない。電子制御によってハンドリング特性までも含めて、好みの状態に変身してくれるとうポジティブな印象であり、その意味ではスーパースポーツの世界に新しい時代を拓く一台となっている。冒頭、2370万円の価格は庶民に縁遠いと書いた。たしかに購入するためには宝くじで一等に当たるくらいしか可能性はないが、たとえ渋滞しているようなシチュエーションであっても、スーパースポーツらしいハンドリングが味わえる唯一性を思うと、2370万円というのはバーゲン価格かもしれないと思い始めるのであった。

ドアミラー越しに、スタイリングの特徴となっているフローティングピラー(浮き上がった柱)やインテークの奥にターボで過給されたエアを冷やすインタークーラーが確認できるのは、NSXに乗っていることを実感させてくれる。(写真は助手席で撮ったもの)

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