このページの本文へ

ここでしか読めないネタの「連載」「特集」が満載!ASCII倶楽部情報局第49回

FeliCaが生き残るとは限らない 日本のモバイル決済が変わる日 第10回

Appleと真逆だった「Google Wallet」が目指していた世界【倶楽部】

2016年11月21日 18時00分更新

文● ちゅーやん

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 どうも。ちゅーやんです。
 アスキーの会員サービスASCII倶楽部では、会員の方だけが読めるさまざまな連載や特集が毎日更新中。有料の会員サービスですが、現在3日間無料キャンペーンを実施中です! 詳細は記事末尾をご確認ください。

 本日は、ASCII倶楽部で毎週水曜日に更新している連載「FeliCaが生き残るとは限らない 日本のモバイル決済が変わる日」より、10月12日に公開した「Appleと真逆だった『Google Wallet』が目指していた世界」を紹介します。筆者はモバイル決済ジャーナリスト 鈴木淳也氏。リテール向けソリューションや公共インフラ、FinTechなどをテーマに世界中で事例やトレンド取材を続けています。


 筆者がNFC(Near Field Communication)に関する取材を本格的にスタートさせたのは2011年初頭のことだ。当時はモバイルに限らず多くのテクノロジー業界でNFCに対する注目が高まっており、今ではあまり考えられないことだが「NFC専門のカンファレンス」が世界各地で多数開催されていた。

 またNFC専門というわけではなくても、いくつかあるセミナーのトラックが丸ごとNFC関連で埋められており、関係者が集まって情報交換するという光景が繰り広げられていた。今回紹介するYankee Group(現在は451 Research傘下)主催の「4G World」もその1つで、2011年11月に米イリノイ州シカゴで開催された同イベントでは「NFC専門」のセッション枠が設けられていた。

シカゴ中心部を走る高架鉄道の「Loop」とその一角に鎮座するシカゴ劇場(The Chicago Theatre)

 Apple Pay登場で息を吹き返した「NFC」だが、それは同時にモバイルNFCの用途が「決済」と「カードエミュレーション(CE)」に偏重するというトレンドももたらすことになった。本来、NFCは「カードエミュレーション(CE)」「リーダ/ライタ(RW)」「ピア・ツー・ピア(P2P)」の3モードを使ってデバイス同士が通信する技術であり、CE偏重はそのポテンシャルを活かし切れていないことの現れでもある。

 用途も決済に偏ることで、その先の用途に今一歩踏み出せていない印象も受ける。逆に、2011年当時はプレイヤー同士の主導権争いこそあったものの(足の引っ張り合いともいえるが)、さまざまなベンダーがアイデアを持ち寄って議論やプランを重ね合ったりと、将来像に関してはむしろ活気があったと考えている。

 あえなく自然消滅という形にはなったものの、この4G Worldが開催される直前の2011年9月に最初のサービスインした「Google Wallet」について、当時Googleで責任者だったOsama Bedier氏がカンファレンスで登壇し、そのプランと狙いについて解説している。

2011年当時にGoogle Walletの責任者だったOsama Bedier氏。現在はPOSソリューションを開発するスタートアップ「Poynt」の創業者兼CEOに就任している

モバイルは“ばらばら”のユーザー体験を紡ぎ出す

 もともとPayPal出身で、今後のGoogleのモバイル決済サービスの要となる「Google Wallet」プロジェクト推進のために同社にやってきたのがBedier氏だ。発表されたGoogle Walletは、当時の「Nexus S」デバイスに携帯キャリア「Sprint」の組み合わせでのみ利用可能なサービスだった。つまりSprintとの回線契約(しかも年縛りつき)が必要であり、AT&Tがメイン回線だった筆者はSIMロックフリーでのサービス提供が翌2012年4月に開始される「Google Play版Galaxy Nexus」の登場を待たなければならなかった。

最初のGoogle Walletサービスは2011年9月に登場。当初はSprint+Nexus Sの組み合わせのみでのローンチだった

 仕組み的には本体に内蔵されたセキュアエレメントにセキュア情報を保存してNFC経由で決済等のサービスを利用する「eSE」方式を採用しており、これが後々携帯キャリアとの軋轢を生み出してGoogle Wallet失敗の引き金となってしまう。Nexus Sの時点では、後に競合することになる「Softcard」(当時の名称は「Isis」で、現在はGoogle傘下に入ってサービスを終了している)と利害関係のないSprintがパートナーなので問題なかったが、同年10月にリリースされた「Galaxy Nexus」ではSoftcardのジョイントベンチャーを構成する1社であるVerizon Wirelessがローンチパートナーだったこともあり、Google Walletアプリの提供を封じられる事態となった。

 結局、Googleが本来抱いていた構想はここ4G Worldでの発表が最初で最後になってしまったわけだが、本来各社が目指すべき「モバイルウォレット」の姿を2011年当時に描き出していて興味深い。

 モバイルウォレットといえば「複数のカードを1つのデバイス上に集約できる」「決済以外のロイヤリティカードやストアカードも保存できる」「しかもそれを簡単に選んで利用できる」という特徴があり、ここまではApple Payなどの既存のウォレットサービスでもほとんどが実現している。Googleはさらに「AdWordsやモバイル機能との連携」を打ち出しつつ、「セキュリティ的に安全」「オープンなエコシステム」「Googleは間接費用を徴収しない」という点を打ち出して、潜在的なパートナー企業へのアピールをしている。この思想はAndroid Payにも引き継がれているが、「Googleは費用を徴収しないのでエコシステム上でアプリやサービスを自由に開発してほしい、ただし広告関連に必要なデータは収集させてもらう」というスタンスだ。ある意味で、ここが「情報はいっさい取らないが、わずかな間接費用を徴収する」というAppleのスタンスと真逆になっている。


 続きは「Appleと真逆だった『Google Wallet』が目指していた世界」でご覧ください。

 なお、こちらの記事の続きを読めるのはASCII倶楽部会員の方限定。いまならASCII倶楽部3日間無料お試しキャンペーンを実施中! 詳細は下記をご覧くださいませ。

 ASCII倶楽部には、今回紹介した記事だけでなく、PCやスマホ、カメラ、テレビ、オーディオなどの会員だけが読める連載が毎日更新されております!

3日間無料トライアルキャンペーン実施中!

 アスキーの会員サービス(月額1080円)「ASCII倶楽部」では、週刊アスキー 電子版の最新号から過去3年ぶん以上のバックナンバーが読み放題となっております。

 加えて、ASCII倶楽部では会員の方だけが読める連載・特集記事やニコ生のアーカイブ、さらにはイベント(!)も楽しめちゃいます。

 そんな月額サービスのASCII倶楽部はただいま3日間無料トライアルキャンペーンを実施中。トライアルキャンペーンでは、ASCII倶楽部のすべてのコンテンツを利用できるので、期間内であれば週アスも読み放題!

会員制読み放題サービス
ASCII倶楽部(アスキークラブ)

■利用料金
月額1000円+税(税込1080円)
※毎月1日~末日までの利用料金として

■支払方法等
●以下のクレジットカードによるお支払いとなります。
* VISAカード/MasterCard/アメリカン・エキスプレスカード/JCBカード
※ご利用になる決済機関によって決済時期及び決済方法が異なります。
それぞれの決済機関が定める利用規約等をご確認ください。

■提供時期
月額利用料金の支払い後、すぐに利用可能。

■推奨環境 <端末・ブラウザ>
【PC】
・OS
Windows 7 以上 , Mac OS X 10.10以上
・ブラウザ
(Windows)Internet Explor 11※Edgeは除く , Google Chrome , Firefox
(Mac)Safari
【スマートフォン】
・OS
iOS 8 以上 , Android 4.x以上
・ブラウザ
(iOS)Safari
(Android)Google Chrome

URL ASCII倶楽部

この連載の記事

週刊アスキー最新号

  • 週刊アスキー No.1252(2019年10月15日発行)

バックナンバー

  • 週刊アスキー No.1251(2019年10月8日発行)

  • 週刊アスキー No.1250(2019年10月1日発行)

  • 週刊アスキー特別編集 週アス2019October

  • 週刊アスキー No.1249(2019年9月24日発行)

  • 週刊アスキー No.1248(2019年9月17日発行)

注目ニュース

ASCII倶楽部の最新記事