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PCやスマホの音楽をデスクトップスピーカーで楽しむ! 第1回

狭い机上で本格ハイレゾオーディオ! 最新デスクトップコンポを試す

2016年11月15日 12時00分更新

文● 鳥居一豊

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超小型らしからぬ鳴りっぷりの良さ
熱気のある生々しい音はなかなか魅力的

ノートPCと組み合わせた状態。スピーカーのコンパクトさがよくわかる。これならば、机の上に置いても邪魔になることはないだろう

10インチのノートPCと組み合わせた状態。スピーカーのコンパクトさがよくわかる。これならば、机の上に置いても邪魔になることはないだろう

 こちらもUSBメモリーでのハイレゾ音源と、iPhoneでのBluetooth再生を試したが、その音の出方に驚かされる。スピーカーに手が届くくらいの5~60cmほどの距離で聴いたが、なかなかスケール感があり雄大な音なのだ。

 フルレンジ構成だから定位に優れ、音場感豊かなことは当然だが、単に広がるだけでなく音にしっかりとした厚みがあり、聴き応えも十分。

 「シン・ゴジラ音楽集」は、緊迫感たっぷりのオーケストラの演奏がかなりのテンションの高さで出てくるし、絶対的な低音の伸びはないのだが、それでいて低音感も物足りなさを感じない。

 女性ボーカルを聴いても、情感たっぷりの歌声で音が前に出るようなぐいぐいと迫ってくるような鳴り方をすることもあり、かなり魅力的なものに感じる。一言で言うと「熱い音」だ。ライブ録音のような熱気やエネルギーを感じるものがある。

 Bluetoothの再生もなかなか優秀。音質的な劣化感はほとんど感じず、熱気あふれる音で不満なく楽しめる。最新モデルということもあり、Bluetooth用のチップも最新のものとなっていると思うが、それを含めてかなり出来がいい。これならば、普段の音楽再生をBlutoothで行なってもまったく不満なしと言っていいくらいだ。

 音の実力は優秀なのだが、いくつかの弱点もある。まずは良好なステレオ感が得られる範囲が極めて狭いこと。スピーカーと視聴位置を正三角形の頂点に置き、スピーカーも60度ほどの内振りにした標準的な置き方だと、頭1つ動かしたくらいでも定位感が変化してしまう。

 これについてはスピーカーを正面に向けておく(内振りにしない)ことである程度スイートスポットが広がるが、音像の厚みもやや薄まるので好みに合わせて微調整したい。

 これと類似するが、リビングの広い場所で遠い距離で聴くというのもあまり適していないと思う。せっかくの音像の厚みや実体感、自分に迫ってくるようなエネルギー感が失われ、持ち味を活かせないと感じた。机の上限定、お一人様専用のシステムと考えた方がいい。

 もうひとつは、箱を鳴らすタイプのスピーカーにありがちだが、音色の傾向に一定のキャラクターが表れること。熱気たっぷりでエネルギー感のある鳴り方は多くの人にとって好まれるものだと思うが、繊細さやきめの細かい表現を求めると物足りなさも感じる。

 ハマればどんな高価なスピーカーよりも魅力的と感じるが、聴く人によって好き嫌いが別れるタイプだと思う。

 決して、アクが強いとかクセがあるというほどにやんちゃな音ではないが、最近では珍しい個性を主張するタイプのスピーカーだ。これは実際に聴いてみて好みに合うかどうかを判断するといい。

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