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業界人の《ことば》から第219回

PCの終了は誤解、モバイル浸透する中シェア伸ばすデル

2016年11月01日 12時00分更新

文● 大河原克行、編集●ASCII.jp

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今回のことば

 「スマホ市場への参入はまったく考えていない。その理由は世の中が、スマートフォンの会社をもう1社欲しいとは考えていないからだ。答えはそれほど簡単だ」(米Dell Technologiesのマイケル・デル会長兼CEO)

 米Dell Technologiesが、2016年10月18日~20日(現地時間)までの3日間、テキサス州オースティンのオースティンコンベンションセンターで「Dell EMC WORLD 2016」を開催した。

 2016年9月7日にEMCとの統合が完了。それからわずか6週間後の開催となったばかりでなく、それにあわせてこれまでの「Dell World」のイベント名称を「Dell EMC World」へと急きょ変更。イベントの中心は、デルとEMCによって実現されるエンタープライズソリューションとなった。

 実際、発表された製品は、コンバージドプラットフォームにPower Edgeを採用したVxRail 4.0 with PowerEdgeおよびVxRack 4.0 with PowerEdgeや、オールフラッシュのDell EMC Isilon All FlashおよびEMC VMAX ALL Flash 250Fといったエンタープライズソリューション製品群。

 EMCジャパンの大塚俊彦社長は「両社の統合が発表されて以降、デルとEMCが持つそれぞれのテクノロジーが融合し、競争力が高く、付加価値を持った製品が提供されることに一番の期待が集まっていた。Dell EMC Worldではその期待に沿う形の製品を、第1弾として発表できた。統合を象徴するような製品であり、今後もこうした製品の発表が続くことになる」と語る。

 まさに、Dell EMC Worldという名称に変わったことを象徴する内容だったといえるだろう。

デルのPCは日本でシェアを伸ばしている

 だが、その一方で、新製品はひとつも発表されなかったクライアントソリューションについて、マイケル・デル会長兼CEOが積極的に発言していたのが印象的だった。

 会期2日目に開催されたデル会長兼CEOによる基調講演では「PCビジネスはDell Technologiesにとって、重要な事業の1つ。経営戦略の中核を占める」と発言。「デルのシェアは15四半期連続でシェアを拡大しており、最新四半期では、他社がPC市場におけるシェアを縮小させるなか、デルだけが唯一市場シェアを伸ばした」と語る。

 実は、日本でもデルのシェアは急速に高まっている。

 第2四半期の国内PC市場におけるデルのシェアは、3.3ポイント上昇。とくにコンシューマPCでは5.6ポイント増という大幅な成長を遂げている。「今年度(2016年)上期は、世界180ヵ国の中で、日本の成長率と達成率はナンバーワンになった」(デルの平手智行社長)という。

 そして、デル会長兼CEOは、今後もPC事業に力を注ぐ姿勢を示す。

 「過去5年でPCの性能や容量、速度は10倍になっている。15年後には10×10×10となり、1000倍も進化した技術が使われるようになる」としながら、「15年後の2031年には、データセンターやクラウドに接続されるデバイスは、2000億台に達するとも予測されている。IoTの広がりによって、エッジ部分ではさまざまなイノベーションが起きている。クライアントソリューションはさまざまな領域で活用されることになり、このビジネスの重要はますます高まる」と語る。

 PC市場は衰退するとの指摘がある。その一方で、スマホやタブレットは成長するというのが、多くの業界関係者に共通した指摘だ。

 だが、デル会長兼CEOは、「PCは衰退し、スマートフォンにとって代わられてしまう意見に、私は、いまも賛同していない」とする。

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