日本マイクロソフトは、2016年7月からスタートしている同社2017年度の事業方針において、6つの重点分野を設定している。
そのうちのひとつに掲げているのが、「法人分野でのWindows 10の普及」である。
Windows 10は、2015年7月29日の公開からすでに1年以上を経過しており、「すでに大手企業の8割がWindows 10に関して導入検討を行なっている。過去のWindows 10に比べて最も速いスピードで広がっている」(日本マイクロソフト・平野拓也社長)とする。
日本マイクロソフトでも、国内における先進的な導入事例をいくつか示してみせる。
たとえば、三井住友銀行では、いつでも、どこでも業務が可能な次世代ワークプレイス環境の構築に着手。Windows 10を搭載した2in1デバイスと、Windows 10 Mobile搭載スマートフォンを導入しているほか、北国銀行では、Windows 10の全面的な導入を決定。2400人の全行員にWindows 10 Mobile搭載スマートフォンを配備。営業力の強化につなげるという。
デバイスそのものの魅力
法人がWindows 10の導入を積極的に検討している背景には、いくつかの理由があると日本マイクロソフトでは説明する。
そのひとつがデバイスそのものの魅力だ。
日本マイクロソフト Windows&デバイス本部 Windowsコマーシャルグループ シニアエグゼクティブプロダクトマネージャーの浅田恭子氏は、「Surfaceの購入者からは、格好いいデザインのデバイスを利用することは、企業のイメージ向上にもつながったという声が出ており、これまでにはないニーズが発生している。Windows 10搭載デバイスでは、ウルトラスリムや2in1などのクールなデザインのデバイスが多く、ここに注目が集まっている」とする。
さらに、タッチやペンだけに留まらず、Cortanaによる音声認識機能、画像認識技術を活用したWindows Helloによるこれまでにない入力方法など、新たなエクスペリエンスの利用により、デバイスの価値が向上していること、GPUの搭載や高解像度ディスプレーの搭載などにより、外出先でも高いパフォーマンスを実現できること、日本では様々な形状のWindows 10搭載デバイスが、メーカー各社から投入されていることなどが、Windows 10の法人需要を加速している理由のひとつに挙げる。
これは、Windows 10 Mobileでも同様で、国内では12社から14機種のWindows 10 Mobile搭載スマートフォンが投入されており、「Windows基幹システムとの親和性や、最新セキュリティ脅威への対策、Continuumの活用による新たなワークスタイルの創造といった点で、ほかのスマートフォンにはないメリットを提供できる」とした。
また、8月2日から提供が開始されたWindows 10 Anniversary Updateによって、安心・安全でセキュアなWindows環境が実現できること、Universal Windows Platformを活用することで、様々なWindows 10デバイスでアプリを共通的に活用できること、企業へのWindows 10導入を支援するWindows 10ソリューションパートナーが自社サービスと組み合わせながら、日本の企業に最適化した提案を行なっていることなども、理由に挙げた。
「これまでは新OSを導入するまでに、検証作業などに約4年をかけていたが、Windows 10では2年間で展開するようになると予測されている(フォレスターリサーチの調査)。Windows 10は、すでに2年目に入っており、これからはパイロット導入とともに、本格導入が開始される時期に入っていく」と語り、こうした企業側の意識の変化も、Windows 10の導入を促進する理由になっているとした。
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