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モバイルバッテリーの選び方 第2回

モバイルバッテリーの充電効率と速度をチェックする

2016年09月21日 11時00分更新

文● 島徹 編集●南田ゴウ

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 特集1回目ではオススメのバッテリーを紹介した。今回は、オススメのモバイルバッテリーの根拠となるバッテリー容量やスマホの充電規格についてもう少し詳しく見ていこう。

 前半ではモバイルバッテリーの容量や出力について、後半ではiPhoneを高速充電できるバッテリーや、Androidスマホよより速く充電する充電規格“Quick Charge 3.0”やUSB Type-C(USB-C)について紹介する。

モバイルバッテリーのスペックや、注目の規格“Quick Charge 3.0”やUSB Type-C(USB-C)の対応を詳しくチェックしよう

■モバイルバッテリーの容量は実質70%で換算する■

 まずはモバイルバッテリーの容量から見ていこう。特集第1回でも示した充電回数の目安だが、3000mAhのモバイルバッテリー充電できるのは、容量の70%となる約1800mAhの「iPhone」1台ぶんとして計算している。なぜ70%で計算するかというと、それには理由がある。

充電回数の目安

 モバイルバッテリーからスマホのバッテリーを充電する際、いくらか電力のロスが発生する。ひとつは、モバイルバッテリー側では3.7V/3000mAhのバッテリーから取り出した電力を、USB端子の標準電圧の5Vに昇圧する時点だ。さらに、スマホ側で受け取った5Vの電力を3.7Vのバッテリーに充電する際にも電力ロスが発生する。製品によって異なるが、このほかの電力ロスを含めるとモバイルバッテリーで実際に充電できる容量はだいたい70%程度になる。

 このほか、モバイルバッテリーの充電容量が少なくなる要因として、繰り返し利用による劣化がある。多くの製品は500回ぶん利用すると50~70%前後まで容量が少なくなる。毎日バッテリー容量を使い切る使い方だと、製品寿命はだいたい2年と考えるといいだろう。

■USBポートは出力電力をしっかり確認しよう■

 第1回で紹介したモバイルバッテリーの中には、複数のスマホやUSB機器をまとめて充電できる2ポートや3ポートの製品もある。これらの製品を購入する場合は、合計の出力も確認しておこう。

同じ2ポート搭載モデルでも、同時出力できる合計電力に違いがある

 モバイルバッテリーを利用する際は、なるべく短い時間でスマホやUSB機器を充電してモバイルバッテリーから取り外したい。この場合、スマホなら1ポート当たり5V/1.5A以上の電力がほしい。ほかのUSB機器でも5V/0.5~1A程度の電力はほしい。ここで、特集第1回で紹介した2ポート搭載モバイルバッテリーを比較してみよう。

  • cheero「Grip 4 5200mAh」合計5V/2.4A
  • パナソニック「QE-AL201」合計5V/1.8A
  • TEC「TMB-9KS」合計5V/2.1A
  • cheero「Power Plus 3 10050mAh」合計5V/2.4A
  • cheero「Power Plus 10050mAh DANBOARD version」合計5V/3.4A

 よく見ると、それぞれ合計の出力電力が異なることがわかる。「QE-AL201」や「TMB-9KS」は合計出力にあまり余裕がなく、スマホを2台同時に充電すると時間がかかることが推測できる。これらの2ポートは、スマホともうひとつ省電力なUSB機器を同時に充電する用途に向いていると考えたほうが良いだろう。

 「Grip 4 5200mAh」「Power Plus 3 10050mAh」の合計5V/2.4Aは、スマホを2台同時に充電してもギリギリ問題ないレベルだ。スマホとUSB充電に対応した他の機器の同時充電ならかなり余裕がある。残量が極端に減ったスマホを2台同時に充電する状況はそこまで多くないだけに、価格とバランスのとれた選択肢といえる。

 「Power Plus 10050mAh DANBOARD version」は合計5V/3.4Aもあり、バッテリー残量0%のスマホ2台を高速に充電できる。キュートな外見に似合わずヘビーモバイラー向けの仕様だ。

「Power Plus 3 10050mAh」の合計5V/2.4Aで、「iPhone 6s」と「iPhone 6s Plus」を同時充電。この組み合わせなら標準的な充電速度で充電できる

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