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製造業はいかにしてスマートになるか、その鍵を握るのは何か

「製造業は次の段階へ」SAP幹部、IoTとインダストリー4.0を語る

2016年08月19日 07時00分更新

文● 末岡洋子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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 製造業の一大トレンドとなっているIoT。業務アプリケーションで製造業を支援してきたSAPは、クラウドプラットフォームを用意して製造業の新たな変革を支援する。SAPで組立加工製造業担当シニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーを務めるステファン・クラウス(Stefan Krauss)氏に、製造業界の最新動向を聞いた。

独SAP 組立加工製造業担当シニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーのステファン・クラウス(Stefan Krauss)氏

日本もドイツも、製造業は「次」に進むべき時期にきている

――製造業のトレンドとして“インダストリー4.0”があります。

 SAPでは組立加工製造として、自動車、ハイテク、産業マシンとコンポーネント、航空・防衛の4分野にソリューションを提供しています。これらの業界では、いずれも大きな変化が起こっています。一言で言えば「デジタルトランスフォーメーション」です。

 ITと通信によりたくさんのモノが接続可能になりました。センサーもあります。SAPは企業が柔軟に、迅速に動き、ビックデータを分析できるように、インメモリコンピューティング、クラウドコンピューティングを提供しています。

 企業はどうやって自社のビジネスを成長させるか、効率を改善できるかを考えています。背景にあるのは、顧客の要求レベルが高くなっているという現実です。カスタマイズされた製品、自分のニーズにあった製品を、いますぐに欲しい。さらに極端な例になると、製品を買うのではなく結果やパフォーマンスのみを買いたいと思っています。これは、製造業を変革する大きなトリガーになっています。これがIoTに結びついていきます。

 “インダストリー4.0”は、製造業がいかにスマートになり、顧客のデマンドを満たし、効率よく運用するかを追求するものです。IoTにより、サプライチェーンと製造プロセスの最適化が図れ、顧客のデマンドを汲み取る場となる実際の店先にフォーカスを移すことができます。

――インダストリー4.0の事例は?

 インダストリー4.0では製造プロセスのパーツ情報を共有できます。マシンが特定のパーツを製造するための情報を読み込んで理解することができます。この情報は注文により異なり、情報の共有が自動化されることで、店先で生まれたデマンドに柔軟に、かつ迅速に対応できます。日本、中国の製造業もインダストリー4.0に高い関心を寄せています。

 例として、ある塗装業者はどの部分に何色を塗るかという情報をパートナーから得て、マシンが適切な処理を行っています。製造プロセスからプランニングシステムにレポートを送り返し、品質に問題があった際は顧客、サプライチェーンネットワークに伝えられるようにしています。製造プロセスをより高密度にしています。

 製造プロセスでスタートしたインダストリー4.0ですが、どこに自社のパーツがあるのかサプライチェーンの追跡にも使えます。交通渋滞によりパーツの納品が遅れて製造プロセスに影響するなどのことが事前に予測でき、しかるべき対応をとることができます。

 予測メンテナンスも、期待されている応用例です。ここでは、製造工程で使うマシンと自社が販売する製品の2パターンが考えられます。前者は自社が製造過程で利用するマシンにセンサーを入れて、ダウンする前に修正するもので、後者は販売後のサービスとして車やマシンがトラブルになる前にサービス担当や技術者を送って修正するというものです。これにより、稼働時間を確実に保証できるようになります。

 日本とドイツはともに、産業機器やコンポーネント、製造プロセスの歴史があります。これまでの延長ではなく、なにかを(違うことを)する必要があるという点で同じような状況で、次に進む時期にあるといえます。実際に、われわれソフトウェア企業だけではなく、政府も動き出しています。日本では、IMC(Industrial Machinery Components)環境や自動車業界で新しいステップに進まなければという認識が強いようです。

シーメンスの産業向けクラウドサービスも支えるHANA Cloud Platform

――SAPはこの分野で「HANA Cloud Platform(HCP)」をプッシュしています。

 顧客の関心は、これまでのようにサプライヤーとその顧客という関係ではなく双方がどのようにして協業していくかにあります。そのために、どんなサービスを提供できるかを考えており、SAPは相互運用により収集したデータを分析するという部分を支援できます。

 シーメンス(Siemens)は産業向けクラウド「MindSphere」を構築していますが、これは自社製品にあるセンサーを接続するクラウドです。この技術バックボーンとして、SAPのHCPが利用されています。これにより、自社製品を購入した顧客に販売後も予測分析などのサービスを提供できます。顧客との関係を、製品をただ販売して終わりという関係から、一緒にコラボレーションする“パートナー”に変化させています。

 5月のSAPPHIREでは、Hitachi Data Systems(HDS)が分析アプリケーション用途でのHANAプラットフォーム実装に適したUnified Compute Platform(UCP)を発表しました。DellともHCP関連での提携を拡大しました。このような提携が増えており、SAPにしても新しいことです。

 製造業の顧客の場合、入り口となるのはERPの「S/4 HANA」で、S/4 HANAを購入後、どのように他領域でも協業できるのかの話を進めています。これはOEMモデルと呼んでいます。

HANA Cloud Platform、オンプレミスの両方に対応したSAPのIoTフレームワーク

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