いま聴きたいオーディオ! 最新ポータブル&ハイエンド事情を知る 第6回
これでいいじゃんと思えるできの良さ
モニターヘッドフォンの鉄板ならこれ、「HA-MX100-Z」を聴く (4/4)
2016年06月15日 15時00分更新
CD時代の音源を想定したMX10、ハイレゾ時代を切り拓くMX100
全体を通して感じたこととしては、CD音源はMX10、ハイレゾ音源はMX100が好印象に感じる場合が多い点が面白かった。
例えばライブ収録をCD化した『けいおん!! ライブイベント ~Come with Me!!~』LIVE CD! の4曲目「Listen!」を聴くと、ハイハイハイハイ……と合いの手を打つ声がすごく楽しい。MX10は歓声のまっただ中にいる感じだ。ベースのグルーブ感も半端ない。
もしかしたら、このへんCD時代の音源の作り方と、ハイレゾ時代の音源の作りかの違いが関係しているのかもしれないし、改めて聴くとMX10がいいヘッドフォンだったのだと感じた。
逆に音の透明感、分離感、空間表現などはMX100が優れる。例えばやなぎなぎの『Follow My Tracks』から「春擬き」を聴くと、MX10のパワー感のよさを感じる。一方で、サビの部分「探しに~」のあたりで増えてきた音数を破たんなく再現できているのは、やはりMX100かなと思う。ハイレゾ時代の音源ではやはりMX100が本領を発揮する。
ちなみに直販サイトHD-Music.では、MX100だけでなくMX10も継続販売中だ。述べてきたように、MX100は空間表現に優れ、ワイドレンジで、音離れが非常によい。まさにハイレゾ時代に求められる性能を備えた1台である。しかし、CDのサウンドを凝縮したパンチのある表現で楽しみたいというのなら、MX10もいいなと思えてしまうのだ。
そしてどちらもこの価格帯におけるモニターヘッドフォンでは個人的ベストチョイスだと思っている。
この連載の記事
-
Audio & Visual
第26回 ドイツの老舗beyerdynamicが放つ、スタジオ育ちのハイエンドゲーミングヘッドホン「MMX 300 PRO」を試す -
Audio & Visual
第25回 「コレいいじゃん!」と思わずポチりたくなった高音質、beyerdynamic「Verio 200」を早速聞いた!! -
Audio & Visual
第24回 映画を楽しむのにいい! Sonos初のヘッドホン「Sonos Ace」体験レポ -
Audio & Visual
第23回 4000円弱で買える、JBLのUSB-Cイヤホン「TUNE310C」、ハイレゾ認証も取得!! -
Audio & Visual
第21回 開放的で高解像度、ダイナミック型の新境地感じたFAudio「Dark Sky」 -
Audio & Visual
第20回 オールラウンドという言葉がふさわしい、ティアックの万能DAC「UD-701N」 -
Audio & Visual
第18回 Wi-Fiスピーカーへの印象を改めるとき、iFi-Audioの「AURORA」は感激の音 -
Audio & Visual
第17回 これぞ完成形、CHORD「Hugo 2」+「2go」のタッグのすごい機能を紹介 -
Audio & Visual
第16回 これ1台でいいかも、豊富な機能で音のいいプレーヤーFiiO「M11 Pro」はオススメできる【更新版】 -
Audio & Visual
第15回 歌声がよく聴こえる、finalの新機軸イヤホン「B1」を聴く -
Audio & Visual
第14回 選ぶ楽しみ、そして使いこなす楽しみ、双子のDITAを体験 - この連載の一覧へ