夏休みの計画を立ててしまった人もいるのではないでしょうか。夏は楽しいイベントが盛りだくさんですが、日本でもすっかり「夏フェス(夏の野外音楽フェスティバル)」が定番になりました。
今年で20周年を迎える「FUJI ROCK FESTIVAL(以下フジロック)」、2014年から2週間開催に規模を拡大した「ROCK IN JAPAN FESTIVAL(以下RIJ)」、日本上陸を果たした「ULTRA JAPAN」など、夏の間は全国各地で毎週のようにフェスが開催されており、入場者数も上昇傾向が続いています。かくいう私も毎年、夏空の下で音楽とビールとフェス飯を満喫しています。
今回は「夏フェス」に関する検索の傾向をのぞいてみたいと思います。夏フェスシーズンを前に、
- ユーザーは「どのタイミングで」「何に興味を持って」検索しているのか?
- そこにどんな広告機会があるのか?
を、D2C広告掲載面であるdメニュー検索のデータ(2015年実績)から探っていきます。
なお、今回調査対象とするのは日本3大音楽フェスと称される「フジロック」「RIJ」「SUMMER SONIC(以下、サマソニ)」に関連するキーワードと「夏フェス」などの一般語とします。
夏フェス好きの準備は冬から始まっている?
下の【グラフ1】は、各フェス関連語の検索数推移です。
2015年1月~8月の検索クエリ数を総計すると、dメニュー検索ユーザーの関心度は
RIJ > サマソニ > フジロック
と言えそうです。これは各フェスの動員数順(前述の表を参考)と一致します。
また日本3大フェスの各者に関する検索数は、第1弾出演アーティストの発表と時期を同じくして大きな伸びを見せ始める傾向があります。一番発表の早かった「フジロック」は1月から、「サマソニ」は2月から、「RIJ」は5月から検索数が急上昇しています(第1弾アーティストの発表を見て、来たる夏に思いを馳せる夏フェスラバーの気持ちは私もよくわかります!)。その後、開催が迫る夏にかけて増加していく動きになります。
どんなキーワードが一緒に検索されている?
夏フェス関連ワードと一緒に検索されているワードは以下のようなものがあります。
【グラフ2】は、前述「事前準備に関する要望」の代表キーワードの検索推移です。
事前準備に関する検索は春先から伸び始め、各フェスの開催直前のタイミングで大きく伸びています。「夏フェスに何を着て行こう?」「どうやって行こう? どこに泊まろう?」といった参加に向けての事前準備要望は、ファッション・アウトドア関連商材や旅行系のクライアントにとっては、リスティング広告出稿の良い機会になり得るでしょう。
特に旅行系クライアントにとっては、各夏フェスの開催時期はちょうど夏休みシーズンのためどのみち商戦期にあたると思います。しかし、フェス開催地周辺の宿の予約は早い段階で埋まりやすくなっていることからも、各フェス関連の検索が特に伸びる5月以降の早い段階で関連キーワードへ出稿することで、コンバージョン獲得に繋げやすくなるのではないでしょうか。
番外編:侮れない、こんな人気フェス
ここまでは、いわゆる「日本3大音楽フェス」と、一般語に関する傾向についてでしたが、番外編として今回の調査でdメニュー検索ユーザーが日本3大フェスに匹敵する関心度を示した、昨年のフェス(イベント)を紹介します。
- 1.LUNATIC FEST.
- 昨年6月に幕張メッセで開催された、LUNA SEA主催のライブイベント。X JAPAN、GLAYなど錚々たる国内ロックバンドが多数出演したことで話題となりました。
メニュー検索での盛り上がりは、「フジロック」の直前に匹敵しています。dメニュー検索は30~40代の女性がコアユーザーのため出演したバンドのファン層と親和性が高く、検索が増加したものと思われます。 - 2.オクトーバーフェスト
- 3.肉フェス
- どちらも音楽フェスではありませんが、各地で催されている飲食系のフェスも近年検索を伸ばしています。複数都市で開催されていることもあり、地名と掛け合わせて検索されているケースが多く見受けられます。
各都市での地域密着型で実施されるため、3大音楽フェスのようにイベントをフックにした旅行需要などは喚起しづらいかもしれませんが、今後も当面人気を維持しそうなキーワードです。
おわりに
いかがだったでしょうか。だいぶ公私混同気味になってしまいましたが、今後も「面白くて、ちょっと役に立つ」検索関連の情報をお伝えできればと思います。夏フェスシーズンはこれからが本番です。参加する人も、この商機を活かしたい人にとっても、素敵な夏になることを願っています!