ベルト部のモジュールで機能を追加可なスマートウォッチ「Blocks」がスゴい!
2016年06月08日 19時00分更新
グーグルが開発中のモジュラー式スマートフォン「Project Ara」のように、ベルト部分のパーツを組み合わせて機能を拡張できるスマートウォッチ「Blocks」がCOMPUTEX TAIPEI 2016で展示されていました。
Blocksは時計のベルト部分を分解可能なモジュールにして、1つ1つのモジュールに機能を持たせることで、多様なニーズに対応できるモジュラー式のスマートウォッチです。
その日の予定に応じて使う機能を追加したり、後から必要になった機能をモジュールの交換で追加できるのです。Kickstarterで2015年11月に開発資金の募集に成功し、現在は量産化のための準備に入っているとのこと。なお製造はPCやスマートフォンなどのOEM/ODMメーカーとして有名な台湾のコンパルが請け負います。
モジュールを組み込んだBlocksを腕にはめると、普通のスマートウォッチにしか見えません。ベルト部分をよく見ると1つ1つのパーツが一般的な腕時計よりも大きくなっています。このパーツが機能を持ったモジュールになっているのです。
展示されていたモジュールはまだ試作段階のため実際には動作はしませんでしたが、GPS、心拍計、拡張メモリ、拡張バッテリーなどがありました。
それらを自由に組み合わせることで必要な機能を持ったスマートウォッチを組み上げることができます。1日中外出しているならバッテリー、運動するなら心拍計といった具合に、必要なモジュールを必要な時だけ組み合わせることが可能というわけです。
Blocksのベースとなる時計の部分は「Core Clock」と呼ばれます。これ単体でスマートフォンからの各種通知の受信、活動量計、音声コントロールに対応。つまりCore Clockにベルトをつけるだけでも単機能のスマートウォッチとして使えます。本体カラーは黒、青、赤の3色が登場予定。ディスプレイは1.39型、400×400ピクセルのタッチパネル。通信はWi-Fi(802.11b/g/n)とBluetooth 4.1に対応。電池は300mAhで1.5日の利用が可能とのこと。
充電は専用クレードルを利用。本体サイズは25.23×30.8×7.95mm。IP68の防水にも対応します。本体の表裏はステンレス製なので傷にも強そうです。なおベルトが入る部分には横長の穴が空いていますが、これはモックアップ。実際はここにベルトを接続するためのコネクターが備わります。
コネクターはモジュール間の電気的な接続を行ないます。ピンの数は8個でモジュラーからCore Watchまでのデータや電気を通します。コネクタの左右にはピンがあり、これがモジュール同士を固定してくれます。取り外しはモジュールをやや強めに押し込むか引っ張ればOK。専用の工具などは必要ではありません。
多種多様なモジュールが発売される予定ですが、1度に取り付けられるモジュールの数は、男性の腕サイズで4個が現実的なところでしょうか。なおモジュールの最後の部分には腕に留めるためのベルト状のパーツを取り付けます。
モジュールは現時点で13種類が開発中とのこと。最初に登場する予定のモジュールは「拡張バッテリー」「心拍計」「GPS」「高度計」「LEDライト」「プログラマブルボタン」の6種類。その次に出てくる予定となっているのは「SIMカード」「指紋認証センサー」「NFC」の3種類。なおSIMカードは2Gの携帯電話モジュールで、CoreClockでの通話を可能にします。
そして最後に登場する予定のモジュールは「空気汚染計測器」「カメラ」「拡張メモリー」「ストレス計」の4種類となります。これらすべてが出てきたら、「今日はどれを組み合わせようか」と毎朝悩んでしまいそうです。
COMPUTEXのブースではさまざまなモジュールについての要望も受けていたようです。もちろんSIMモジュールの3G版の開発もお願いしておきました。ちなみに本体のワイヤレス充電への対応の声も多く寄せられたとのこと。
写真にあるように現状はクレードルを使って充電を行ないます。そして将来の構想として、モジュール間の通信をワイヤレス化することも検討しているとのことです。たとえばCore Watch側に4個のモジュールを付けて左腕にはめ、右腕には別のモジュールだけを複数個ブレスレットのようにはめて、そちらもCore Watchと無線で通信できるようにするというアイディアです。
そうなるとペンダント型や指輪型のアタッチメントにBlocksのモジュールを装着する、なんてこともできるようになるかもしれませんね。世界初となるモジュラー式のスマートウォッチ、まずは製品が実際に出てくることを楽しみにしています。
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