2016年5月31日、インテルはエンスージアスト向けのハイエンドCore i7の製品群を14nmプロセス世代の「Broadwell-E(開発コードネーム)」にリフレッシュした。今回投入された製品はCore i7で史上最多となる10コア/20スレッドとなる『Core i7-6950X』を含めた合計4モデルだ。
ソケットLGA2011-v3を採用したCore i7-5900/5800シリーズ(Haswell-E)の登場が2014年8月。エンスージアスト向けのCore i7はコア数が多く、PCI Expressやメモリーの帯域も広いため「長く使える」ことがウリだったが、登場から2年近くが経過したということで世代交代が必要だと考えていた人も多いことだろう。
今回はそのHaswell-Eの後継である、Broadwell-Eの全モデルを入手できた。果たして先代のHaswell-Eやメインストリーム向けのSkylake版Core i7と比べてどの程度速いのか、ベンチマークなどを交えつつ検証してみたい。
最上位に10コア版を追加し、4モデル構成に
まずはBroadwell-E版Core i7のすべてのラインアップとスペックを確認しておこう。プロセスルールがシュリンクすれば発熱量も下がるのが普通だが、TDPは従来と同じ140W。1コアあたり2.5MBのL3キャッシュを搭載する点も変わらない。対応BIOSが必要になるが、既存のX99チップセット搭載マザーボードとDDR4メモリー(クアッドチャンネル)が流用できる。
だがBroadwell-Eの最上位モデル「Core i7-6950X」はCore i7では初の10コア/20スレッドというとんでもない仕様となった。動画エンコードやCG作成といったアプリでないかぎり、多コア化するメリットはないが、タスクマネージャーに20個のグラフが並ぶのは壮観の一言だ。ただし、価格も21万円前後とこれまで以上にプレミア感のある設定になっている。
Broadwell-Eは既存のX99マザーでも運用できるよう設計されているが、基板部分はSkylakeと同様に薄くなっていたり、ヒートスプレッダーにウイングが張り出し保持しやすくなるなど、細部に変更点もみられる。
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