てあしくちびる。どこかで名前を聞いたような気もするけど、なんだったか思い出せない。そういう方はまず、このビデオを。聞いた覚えも見た覚えもないなら、なおさらどうぞ。
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「ペリ」が収録されたファース・トアルバム「Punch! Kick! Kiss!」は2014年6月発売 |
てあしくちびるは、栃木県足利市で生まれたアコースティックデュオ。楽器はアコギとバイオリン、そして2人の声だけ。にも関わらず、執拗な言葉のループと不協和音程の積み重ねで、強烈なグルーヴを感じさせる。当然のことながら、この「ペリ」のMVは「なんだこれおもしろい」と、コアな音楽好きの間でシェアされ話題となった。
私もあわててアルバムを購入したが、演奏は軽快で楽しげなのに、終わってみればえらくヘヴィーな音を聴いていた記憶しか残らない。ヒップホップともミニマルミュージックともノイズとも言えない、なにか雑多な境界の上にある謎の音楽。
いったい、こんな音楽はどこからやってきて、どんな人たちが演っているのか。なぜいまの日本にこんな音楽が存在しているのか。ずっと不思議でならなかったのだが、セカンドアルバム発売のタイミングで、てあしくちびるの2人に取材のチャンスを得た。
まず、てあしくちびるとはどんな人たちで、なぜてあしくちびるになったのか。全3回に渡るインタビューの第1話はそこからスタート。
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セカンド・アルバム「coreless」(Club Lunatica CL-035)はAmazonのほか、タワーレコード、ディスク・ユニオン、およびインディーズに強いレコード店で6月3日から発売開始予定 |
同級生のお姉ちゃんを誘って結成
―― 実は、もうちょっと怖い人達だと思っていました。へたなことを言うと殴られそうな。
kawauchibanri ははは。
くっちー あ、よく言われます。イメージが違うって。
―― 安心しました。まず、結成のいきさつからおうかがいしたいです。
kawauchibanri 僕はいま31歳なんですが、10代の頃からアコースティックギターの弾き語りをやっていました。2010年くらいにソロのアルバムを作ろうと思って、ゲストプレイヤーを探していたんです。地元の中学校の同級生のお姉ちゃんがバイオリンをやっているということで、なんとなくこの人の存在を……。あ、この人、中学の同級生のお姉ちゃんなんですよ。
くっちー はい。あしかがフラワーパークというところがあって、藤が有名なところなんですけど、期間限定でバイトを募集するんです。そこで一緒になって、ライブをやっているというので、ちょこちょこ観に行ったりして、それで誘ってくれたと思うんですけど。
―― kawauchiさんのソロはどんな感じだったんですか。
kawauchibanri オーソドックスなフォークを歌っていました。そのソロでバイオリンをやってもらったら、すごくいい感じだったんです。いまとは全然違う音楽だったんですけど。その頃、僕はヒップホップに熱があった時期で、弾き語りでもそれっぽいことはやっていたんですが、もっと本格的に言葉の組み合わせでなにかできないかなと。アコギとバイオリンの2人で。それで僕が誘いました。
―― 2人で始めたのは?
くっちー 2010年の12月です。それが「てあしくちびる」という名前をつけて初めてのライブですね。
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