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ソフトバンク2016年3月期決算発表、増収増益も純利益は続減

2016年05月10日 22時10分更新

文● 小山安博 編集●南田ゴウ

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 日本でのサービス開始以来黒字が続くヤフー事業は、売上高は同52.6%増の6520億3100万円、利益が同15.1%増の2227億8700万円。アスクル買収による売上増に加え、ディスプレイ広告が好調だった。検索連動型広告は、スマートフォンのデフォルト検索エンジンの主流がGoogleということもあり減少傾向だが、スマートフォン向けにディスプレイ広告を工夫したことなどにより「広告効果が著しく上がって、単価が8倍になった」(同)。その結果、ディスプレイ広告は同29%増になるなど好調。

19期連続黒字となったヤフー事業

ディスプレイ広告が好調

 ヤフーのショッピング事業は取扱高が同62%増の1128億円まで拡大し、初めて1000億円台を突破した。現時点では「先行投資」(同)のため利益としてはマイナスだが、今後これが利益に貢献するとみており、「ここから先は非常に楽しみ」と孫社長。さらに決済をはじめとした新サービスを立ち上げることで、さらなる事業拡大を図る。

Eコマースの取扱高も順調に拡大

 不振の米Yahoo!を買収するとの観測に対しては「自らが買うとか、(買収)交渉するとか、少なくとも現時点ではない」と孫社長は明言する。

 ブライトスターやソフトバンクコマース&サービスなどの流通事業は、売上高が同15.9%増の1兆4204億1600万円、利益が62億3600万円減となり、12億8400万円の損失となった。主に中南米における減損損失などが影響したという。

 ソフトバンクグループの事業のもうひとつの主力である投資事業については、新興市場の活況、モバイルとクラウドの組み合わせによる新ビジネス、AI、自動運転、VR、IoTといった新技術の登場で「絶好の投資機会」(同)とみており、今後さらに投資を拡大していく意向。

 流通で世界最大の米ウォルマートの取扱高を年度ベースで初めて抜き、60兆円規模を取り扱うアリババは売上高2兆円を突破し、純利益も同22%増の8268億円と順調に成長。ほかにもsnapdeal、coupang、tokopediaといったアジアのEコマース企業が好調。配車サービスのOLA、Grabといった企業も順調な成長で、グループ会社拡大によるさらなる利益拡大を目指す。

アリババの取扱高

売上高

モバイル向けの収入が大幅に拡大

純利益も順調

 孫社長は、通信事業などの直接の事業が順調に拡大している中「投資事業も伸び盛り」(同)であり、「ソフトバンクはこれからが伸び(成長)の本番になる。さらなる成長をお約束していきたい」とアピールしている。

自社株買いによって増配を実施

国内事業によってフリーキャッシュフローの創出が強化され、米Sprintの改善基調が進展。投資戦略も順調で、さらなる成長を図れるとする


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