このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

柳谷智宣の「真似したくなるPC活用術」 第219回

「Shuriken」で複数のメールアカウントを効率的に管理・運用する技

2016年02月24日 12時00分更新

文● 柳谷智宣

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

理由その2:送信先や添付ファイルの間違いなどメールの送信ミスを軽減してくれる

 メール送信時にいろいろとチェックしてくれるのも安心。ビジネスでやりとりするメールでは、ミスを極限まで減らしたいもの。「Shuriken」なら、見逃したミスを水際で防いでくれるかもしれない。何度も添付ファイル漏れやコピペによる敬称抜け、日本語の間違いなどを助けてもらった。1年に1回、ミスを見つけてもらえるだけでも購入する価値はある。

 筆者のメアドにはさまざまな企業からお知らせが届くのだが、半年に1回は全送信者をCCに入れたメールが届く。お互いのメールアドレスがモロバレになってしまうので、大トラブル。媒体やライターのメアド一覧なら、普通に高値がつく個人情報だからだ。すぐに謝罪メールが送られてくるが、こんなこともShurikenを使っていれば防止できる。社外のメアドに送信する際に警告したり、設定した数以上の送信先が登録されている場合に警告する機能がある。

 添付ファイルに関しても、添付がありそうな文面なのについていなければ警告を出すし、添付ファイルが大きすぎる場合に警告を出すこともできる。見出し抜けもチェックしてくれる。

 さらに、メールの送信取り消し機能も搭載。送信ボタンを押してから実際に送信するまで指定秒数でタイムラグを発生させるだけだが、万一の際にキャンセルできるのは安心だ。

 日本語のチェックも一太郎のエンジンを利用できる。「一太郎2016」がインストールされているなら、細かい文法ミスまで見逃さずに済む。(「第214回 まだまだ現役、一太郎2016&ATOK 2016で文章入力効率をアップする技」を参照)

メール編集画面で「校正実行」や「送信」を押すと指定した校正ソフトが起動する

ここでは一太郎が起動し、校正結果が表示される

修正したら、「ファイル」→「閉じてShurikenに戻る」を選ぶか、Ctrl+F4を押す

見出し抜けや敬称抜け、添付ファイル漏れをチェックしてくれる

理由その3:メールに付箋を貼ったり、TODOとして管理できるなど柔軟なメール管理が可能

 メールボックスに来たメールは、基本的には即処理するようにしている。返事が必要なら返事をして、適当なフォルダーにドラッグ&ドロップで振り分ける。用事ならGoogleカレンダーに登録して、振り分ける。不要なメールなら削除する。基本的には受信トレイを空っぽにしておくのだ。

 そこで困るのが、短時間で処理できない案件や何かほかの連絡を待っているようなメールの時。通常は受信トレイに残しておき、後で対処すればいいのだが、「Shuriken 2016」には「ToDoバンク」という機能が搭載されている。読んだり返信したりする作業を右クリックメニューから先送りできるのだ。

 また、メールに付箋を貼れるのも便利。メールのプレビュー画面に右クリックメニューから付箋を貼り、コメントを入力できるのだ。メールの保存フォルダーを変更しても、付箋は残っており、いつでも閲覧できる。一覧表示したり、キーワード検索することも可能。メールでやりとりしているのに、電話での会話が間に挟まった時などに、内容をメモしておくことができる。簡易的なプロジェクト管理にも活用できるだろう。

処理を後回しにしたいメールを右クリックし、「ToDoバンク」から「後で返信する」や「後で読む」を選択する

再通知するタイミングを選択する

メールはそのままに、「ToDoバンク」フォルダーにも登録される

指定したタイミングで通知が出る。ほかの作業をしていてもOKだ

「ToDo実行」をクリックすれば、メールの返信画面が開く

右クリックメニューから付箋を貼り付けられる

メモを入力する。移動やサイズ変更も可能

付箋のプロパティを開けば、背景色やフォントを変更できる、テンプレートを利用することも可能だ

「編集」メニューから「付箋」→「付箋へジャンプ」で、付箋の一覧を表示できる。めがねアイコンを開けば、キーワード検索も可能

理由その4:迷惑メールフィルターが賢く、セキュリティー機能も充実している

 高度な迷惑メールフィルター機能を搭載しているのも○。長年同じメールアドレスを利用していると、迷惑メールがたくさん届くようになる。自分で登録したメルマガなら解除すればいいが、海外から届く迷惑メールには返信することさえ危険なので無視するしかない。

 自分で条件を指定する「基本フィルター」と、分析して自動振り分けしてくれる「学習型迷惑フィルター」を搭載している。通常は学習型を選べばいいが、併用も可能だ。どんな内容だろうと受信する相手を登録する「ホワイトリスト」や原則的に迷惑メールに振り分ける「ブラックリスト」機能も搭載している。このおかげで、メインの受信箱にはほとんど迷惑メールは表示されない。

 ごくまれに迷惑メールフォルダーに仕事のメールが迷い込むことがあるので、数日おきにざっとチェックするようにしている。しかし、拾い上げる作業を何回かしていれば、ほとんど誤判定されなくなる。

学習型迷惑メールフィルターを有効にし、誤判定されたアドレスをホワイト/ブラックリストに登録していけば、そのうち完璧に判別してくれるようになる

 以上が高機能メールソフト「Shuriken2016」の活用術となる。有料とはいえ、1~2年に一度2000円ならたいした出費ではない。日々大量のメールをやりとりしているなら、節約した時間で元が取れるはず。Windowsのバージョンが変わっても、データを移行するだけで使い続けられるのも安心。前述の通り、1ライセンスで3台までインストールできるのも太っ腹だ。40日間利用できる体験版も用意しているので、もし高機能なメールソフトを探しているなら検討してみることをお勧めする。


筆者紹介─柳谷智宣

著者近影 柳谷智宣

1972年生まれ。ネットブックからワークステーションまで、日々ありとあらゆる新製品を扱っているITライター。パソコンやIT関連の媒体で、特集や連載、単行本を多数手がける。PC歴は四半世紀を超え、デビューはX1C(シャープ)から。メインPCは自作、スマホはiPhone+Xperia、ノートはSurface Pro3とMacbook Air。著書に「銀座のバーがウイスキーを70円で売れるワケ」(日経BP社)、「Twitter Perfect GuideBook」(ソーテック社)、「Dropbox WORKING」(翔泳社)、「仕事が3倍速くなるケータイ電話秒速スゴ技」(講談社)など。筋金入りのバーホッパーで夜ごとバーをハシゴしている。好きが高じて、「原価BAR」を共同経営。現在、五反田・赤坂見附・銀座で営業中。


前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン