2015年もさまざまなスマホや携帯電話が発売されました。その中でも局地的に話題になったのがFREETELの「Simple」。3Gのガラケーと言う珍しい製品ですが、機能や仕上げでいろいろと話題を振りまいてくれた製品でした。ところがこのSimple、ちょっとした秘密があったんです。なんとノキアマニアも喜ぶ仕掛けが隠されていたのです。
日本で久しぶりに登場した機能を極端に削った携帯電話のSimple。海外でも東南アジアなどではまだこのスタイルの携帯電話は売られていますが、3G対応機となるとなかなか珍しい存在。海外では2G機がほとんどです。ということは、Simpleの製造元メーカーも3Gでガラケーと言う非常に珍しい製品をつくらねばなりません。そのためか、Simpleにはひとつの汎用品が利用されています。
Simpleのバッテリー容量は1000mAh。直方体で端子が3つあります。この形状、古くからのマニアの人ならなんとなく見たことあるかも。実はこれ、ノキアが2000年代に多用していた「BL-5C」とほぼ同じ形状なんです。一時は世界の携帯電話市場でシェア半数近くにまで達したノキア、その中核モデルのほとんどがBL-5Cを使っていました。日本で発売されたモデルもBL-5C採用品が多くあります。
ということで、中国ではBL-5Cを使える端末が多数登場。そうすればバッテリーをイチから設計する必要は無く、またどこにでもあるノキアのBL-5Cの純正品や互換品を利用できます。Simpleは電源周りは昔の海外ガラケーの流用、ということで製造元はBL-5Cと互換の電池を採用したのでしょう。
変態機「Nokia E70」に入れてみると……!
早速、ノキアにSimpleのバッテリーを入れてみました。サイズはもちろんぴったり合います。もちろん特許などもあるでしょうからサイズは微妙に変えているようですが、誤差範囲なので入っちゃいます。セレクトした端末は筆者の大好きな「Nokia E70」。開くとQWERTYキーボードが現れる変態機ですね。
恐る恐る電源を入れると、懐かしの手と手をつなぐ起動アニメとともに、ノキアチューンが聞こえてきました。名機だった「702NK」などを持っている人でもう付属のBL-5Cが干上がって使えなくなっちゃったって人も、Simpleを買ったらバッテリーを流用できるのです。ただし、その時代のノキア端末は現在、電波強度規則改正などにより日本では使えなくなってしまいました。
では逆に、BL-5CをSimpleに入れてみます。こちらもサイズはジャストフィット。この電池を入れただけでノキア端末になったような錯覚を覚えます。
筆者手持ちのBL-5Cは干上がったものが多かったのですが、いくつかはまだ充電できました。その中のひとつをこうして入れてみたところ問題なく起動します。BL-5Cはまだアジアあたりでは互換電池が売っているので、Simpleの予備電池も海外ならまだ買うことができるでしょう。
BL-5Cは携帯電話だけではなく、小型機器でもよく使われました。いまはあまり使われなくなったBluetooth接続のGPSユニットも、BL-5C互換のものが多く売られていたのです。この「LD-1W」はノキアが出していたGPS。もちろんBL-5Cを利用します。
次のページでは「BL-5Cの2つ入る中華タブレットなどで検証!」
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