このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

高橋暁子の「意外と知らない!? 業界ランキング」 第53回

国内EC流通総額は2兆円超~ショッピングモールシェア2015

Amazonの圧勝だがそれでも小売業の4%に過ぎない!?

2015年12月07日 09時00分更新

文● 高橋暁子 編集●ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

日本のECショップ、トップはAmazon

 では、気になるネットショップモールごとのシェアはどうなっているのだろうか。505社を対象とした日本ネット経済新聞のインターネット通販売上ランキング(2014年度調査/2015年6月)によると、合計売上は3兆2861億円となり、上位100社の売上を同様の前回調査(14年6月実施)と比べると、3346億円増加した。

 ランキングは以下の通り。なお、売上は日本ネット経済新聞の推定となる。1位は2位に大きく差を付けてAmazonが獲得しており、これで8年連続の首位となった。

インターネット通販売上ランキング(2014年度)
ネットショップ 売上
1 Amazon(日本事業) 7000億
2 アスクル 1870億
3 千趣会 831億
4 ヨドバシカメラ 800億
5 デル 620億
6 ニッセン 617億
7 ディノス・セシール 570億5900万
8 上新電機 550億
9 イトーヨーカ堂 500億
10 ジャパネットたかた 450億

(日本ネット経済新聞調べ)

楽天 VS Amazonは? 国内EC流通総額は2兆円超

 楽天市場は、他店に出店してもらい出店料やシステム利用料をもらうショッピングモールビジネスであり、Amazonはモール事業もやっているものの、自社で仕入れから流通、販売までを手がけており、両社はビジネスモデルが異なる。単純な比較はできないが、ここで楽天市場とAmazonの売上高を比較してみよう。

 米Amazonが2015年1月に米証券取引委員会に提出した2014年の年次報告書によると、Amazonの日本事業の2014年の売上高は、前期比3.6%増の79億1200万ドルだった。2014年の年間平均為替レートである105円で換算すると、日本事業の売上は前期比12.3%増の約8300億円となった。

 一方、楽天が2015年2月に発表したところによると、2014年通年での楽天市場の売上高は1512億円(前期比10.1%増)だった。つまり、売上高ベースで見ると、Amazon:楽天市場=8300:1512=11:2ということになる。

 なお、楽天市場をはじめとしたECサービスの国内EC流通総額は、初めて2兆円を超えている。2011年に1兆円を超えてから3年での達成となる。楽天市場の1店舗あたりの流通総額は4810万円で、出店店舗数は4万1442店だ。

 一方、Amazon全体の流通額のうち約4割が第三者による販売であり、第三者による流通額は約5200億円、直販による流通額は約7800億円と見られている。

 激化する一方のショッピングモールビジネス。Amazonがリードしているものの、楽天も負けてはいない。ユーザーにとってはまだまだ選び放題の嬉しい状況が続きそうだ。

著者紹介:高橋暁子

 ITジャーナリスト、コンサルタント。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、企業などのコンサルタント、講演、セミナーなどを手がける。小学校教員、編集者を経て現在に至る。最新刊『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎エデュケーション新書)の他、『ソーシャルメディアを武器にするための10カ条』(マイナビ新書)、『Facebook×Twitterで儲かる会社に変わる本』『図解 一目でわかるITプラットフォーム』(日本実業出版社)、『ネット業界 儲けのカラクリ』(中経出版)など著作多数。http://akiakatsuki.com/ Twitterアカウントは@akiakatsuki

■Amazon.co.jpで購入

前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事

アスキー・ビジネスセレクション

ASCII.jp ビジネスヘッドライン

ピックアップ