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Music Park 2015レポ後編

今年のシンセはヤマハとローランド! 人気製品をまとめて触る

2015年11月15日 12時00分更新

文● 四本淑三

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沈黙のコルグ

 不気味なのがコルグで、今年の初頭にNAMMショーでARP ODYSSEYをお披露目して以降、シンセ部門からは、これといって新機軸は発表されていません。ミュージックパークにも、新しく発表された「volca sample OK GO edition」も含めて、展示はありませんでした。

 自社シンセの復刻を真っ先に開始し、ガジェット楽器ブームを巻き起こし、アナログ復刻に火を付け油を注ぎ、他社がその追従路線を歩んでいる間に、また全然別のなにかを企んでいるのでしょうか。楽しみのような怖いような。

今回、コルグが推していたのがアレンジャーキーボードの新製品「Liverpool」。ブースのデモ演奏の主役もこの製品でした。レノン=マッカートニーによる楽曲データ100曲分を内蔵し、コードやメロディを入力すると、ビートルズ風の伴奏やアレンジで自動演奏してくれるというもの

Liverpoolは、カラーリングからしてコアなビートルズファン向けの製品のように見えます。が、ポップミュージックの方法論はビートルズがすでに全部やりつくしているという話もあるわけで、ならばポップミュージックを愛するすべてのみなさんに向いているはずです

iPadのCubasisが使えるオーディオインターフェース

 Steinbergから小型USBオーディオ/MIDIインターフェース「UR22mkII」が11月中旬に発売されます。2イン/2アウトのシンプルな仕様ながら、24bit/192kHz対応。SteinbergのURシリーズは、気合の入ったマイクプリと安定した動作が魅力ですが、旧型のUR22は、ループバックに対応していなかったのが惜しいポイントでした。ループバックがあれば、Ustreamの中継もできるのに。

 という声を受けたかどうなのか、新型のUR22mkIIは、ループバック機能を付けて、Lightning-USBカメラアダプターなどを介してのiPadの接続に対応し、そのついでにオーディオ特性の向上も果たしています。UR22mkIIはUSBバスパワーで動作しますが、iPad接続時はバスパワーが供給できないので、5VのDC入力も設定されています。

 そして、この製品の発表と同時に、iPad向けのDAWとして「Cubasis LE」の無償提供が発表され、SteinbergのURシリーズで使えるようになりました。つまりiPadとUR22mkIIがあれば、コンパクトで安上がりなDAW環境が成り立つわけです。

UR22mkIIの価格は1万5660円。入力端子はマイク用のXLRプラグと、シンセのフォーンプラグが挿せるコンボジャック。Ch2はHi-Z切り替えスイッチがあり、ギターやベースを直接接続できます

 さて、来年は楽器フェアの年です。2016年は11月4~6日に渡って、東京ビックサイトでの開催が予定されています。そして、その前に、年が明けるとNAMMショーが始まります。一体来年はなにが出るのか。楽しみにして待ちましょう。



著者紹介――四本 淑三(よつもと としみ)

 1963年生れ。フリーライター。武蔵野美術大学デザイン情報学科特別講師。新しい音楽は新しい技術が連れてくるという信条のもと、テクノロジーと音楽の関係をフォロー。趣味は自転車とウクレレとエスプレッソ

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