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Music Park 2015レポ後編

今年のシンセはヤマハとローランド! 人気製品をまとめて触る

2015年11月15日 12時00分更新

文● 四本淑三

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 11月7日、8日に開催された楽器フェアPresents「Music Park 2015」のレポート。前半は市場をにぎわせたギター周辺製品を取り上げました。後半はシンセ。いつもならコルグがっ! となるところですが、今年は違います。

パラメーターを完全再現した「Roland Boutique」

モジュール単体の状態で平置きされたJX-03。ブックサイズとメーカーが言うこの大きさは、幅300×奥行き128×高さ46mm。重さは950g

 今年1月のNAMMショーでは、往年のシンセ大復刻ブームが巻き起こりましたが、ヤマハは「reface(リフェース)」、ローランドは「Roland Boutique(ローランド ブティーク)」で、ミニ四駆風のカリカチュアライズ路線に進んでいます。いずれもデジタル音源、ミニ鍵盤、スピーカー内蔵、電池駆動と、ガジェット楽器風のスペックが揃うところは同じ。会場では全機種試奏可能でしたが、市場では品薄状態が続いており、まとめて実機に触れられる貴重なチャンスだったと思います。

 まず、ローランドのRoland Boutiqueは、ちょっとマニア向け。「JP-08」はJUPITER-8、「JU-06」はJUNO-106、「JX-03」はJX-3Pのオプションコントローラー「PG-200」のパラメーターをすべて再現したうえで、オシレーターの波形を追加するなど機能を拡張しています。だから、元ネタを知っている人には即戦力となり得るでしょう。

 いずれも16ステップ/16パターンのシーケンサーを内蔵していて、モジュール単体での演奏も可能。左脇のスリットはリボンコントローラー(タッチセンサー)で、カオシレーターのようにスケールをプリセットから選んで、指先で音階が弾けます。どの機種も同時発音数は4音ですが、MIDIでチェーン接続すると台数に応じて発音数が増やせます。たとえば2台だったら8音ポリに。

手前がJP-08。3台並ぶと小さくても壮観。お値段はJP-08だけ高くて5万4000円、JX-03とJU-06は4万3200円

 DAWで録音するためのUSBオーディオインターフェイスも内蔵していて、単3電池×4本で約6時間、あるいはUSBバスパワーで動作します。スピーカー内蔵なのでどこでも使えますが、デスクトップ用の音源、あるいは直感的に操作できるライブ用の音源としても重宝しそうです。

 25鍵のキーボード付きスタンド「K-25m」は別売りですが、スタンドに置くとミニモーグ風でカワイイので、ぜひほしいところ。数量限定ということなので、早めに予約を入れることをおすすめします。

キーボード兼スタンドの「K-25m」は1万4040円。シリーズ共通して使用可能で、モジュールの設置角を3段階で設定できます。写真はJU-06をマウントした状態

 シンセ周りで言えば、ローランドは「SOUND Canvas VA」も発表しています。昨年発売された「SOUND Canvas for iOS」のプラグインバージョン(VST/AU)で、1996年に発売されて人気を博したDTM音源「SC-88Pro」、いわゆる「ハチプロ」の復刻版とも言えるものです。

 DAWで使う前提なので、SMF(Standard MIDI File)の再生機能はありませんが、SMFファイルをインポートして設定を読み込めるので、過去に作成したMIDIデータもそのまま活かせるそうです。ダウンロード販売のみで、発売時期や価格は今のところ決まっていません。

SOUND Canvas VAはプラグインなので、PCのリソースに余裕があればいくつでも起動できます

(次ページでは、「完成度の高いヤマハの大人気シンセ」)

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