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Line 6のHELIXがいい! 高いけどいい!

今年の楽器トレンドをまるっと押えたMusic Park 2015レポ!

2015年11月14日 12時00分更新

文● 四本淑三

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新世代ギターシンセがBOSSから登場

 ペダルボード用のスイッチャー「ES-8」は、複数のエフェクターを接続して、ルーティングやオン/オフなどを一括して操作するものです。ギタープロセッサーの便利さが重宝がられる一方、本物のアンプで鳴らしたい、自分の好きなエフェクターを組み合わせて使いたいというニーズも当然あるわけで、ES-8はそうした人たち向けの製品です。

ペダルボード用のスイッチャー「ES-8」を中心に、デジタルディレイの「DD-500」、コンパクトワウの「PW-3」などの新製品をフィーチャーして組まれたペダルボード。重くて持ち運びは大変なものの、自由度が魅力です

 個人的に今後の開発に注目しているのが、ギターシンセサイザーの「SY-300」です。従来のような専用ディバイデッドピックアップの取り付けは不要。にも関わらず和音が弾け、レイテンシーもない新世代のギターシンセサイザーという触れ込みで登場しました。

 実はおもしろそうなので個人的に買って使っていますが、シンセ的な音も出るコンパクトなマルチエフェクターとして結構重宝しています。ローランドではなく、BOSSから出ているのも、そういう使われ方を想定しているのかなと想像しています。

SY-300の価格は7万5600円とお手頃。3系統のシンセ音源と、4系統のエフェクターを自由にルーティングして音作りができます

 これまでのギターシンセサイザーは、ギターの音から音程を割り出してシンセのピッチ制御をする関係で、ピッキングしてから音が鳴るまでの若干の遅れがあり、またピッチの追従も不安定なところがありました。

 そうした欠点を感じないので、演奏していてさほどストレスは感じません。

 SY-300もギターの出力を何らかの方法で変換はしているはずなのですが、その技術的な詳細は明らかになっていません。ただMIDI OUT端子からノート情報を出していないこと、シンセモジュールの構成からエンベロープ・ジェネレーターが省略されている点を考ると、ギターの出力からピッチやトリガーの検出は行なわなくてよい変換方法のようです。

 演奏性から言えば、ピッチシフターのウエット信号に、フィルターやモジュレーションを掛けたようなイメージです。実際、開放弦を思い切り弾くと、ピッチが不安定になるところはピッチシフターによく似ています。エンベロープ絡みの凝った音作りはできない代わりに、ピッキングハーモニクスのようなギターっぽい奏法も受け付けるのがおもしろいところです。

 さて、前半はここまで。後半はローランド「Roland Boutique」やヤマハ「reface」を中心に今年のシンセ界隈を振り返ってみましょう。



著者紹介――四本 淑三(よつもと としみ)

 1963年生れ。フリーライター。武蔵野美術大学デザイン情報学科特別講師。新しい音楽は新しい技術が連れてくるという信条のもと、テクノロジーと音楽の関係をフォロー。趣味は自転車とウクレレとエスプレッソ

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