このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

スマートな配線制御や動画からの不審者の検出などで説明

社会課題の解決にAIを活用するNEC、次は知性のレベルへ

2015年11月12日 10時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

100万人への検索をわずか10秒で完了する高速な顔照合

 もう1つの時空間データ横断プロファイリングは、安全・安心なスマートシティでの犯罪者の検知に利用できるAI技術。NECでは顔認証の技術を元に、犯罪者の入国防止や盗難車の捜索、2人乗り検知、異常混雑の検知などで実績を持っている。街中監視においては、従来は静止画での顔認証を用いて、ブラックリストに登録された容疑者を発見するのがメインだったが、時空間データ横断プロファイリングでは、怪しい行動をする未登録の不審者を動画から発見できるという。

AI技術による街頭警備の刷新

時空間データ横断プロファイリング

 具体的には複数の場所で撮影された映像データから特定の不審行動にあった人物を高速に抽出する。複数のシーンに現れた人物が同一かを調べるには膨大な数の顔照合が必要だったが、時空間データ横断プロファイリングでは映像データを顔の類似度でグループ化し、ツリー構造で管理することで、人物を高速に分類できる。NECの検証では、100万人に対する検索をわずか10秒で完了できるため、同じ場所に頻繁に出現する人物や連続放火事件のように複数の場所で現れた人物をすばやく発見することが可能になるという。

類似データのグループ化により、高速な顔照合が実現

人とAIの協調で社会課題を解決へ

 将来的な方向性として、NECはAIで知識より上位の「知性」を提供し、人間の判断に示唆を与えるようにしていきたいという。これはAIの自動化のみでは解くことが難しい問題が社会課題では多いためだという。

情報や知識よりも上位の知性を提供するAIへ

AIが多視点から示唆を示すことで人間の思考・判断を支援

 単なる情報や知識のみにとどまらず、知性の提供により、人とAIの協調を進めるのが、NECの方向性だ。従来のようにゴールの定まった問題に対して、圧倒的な効率化をもたらすだけではなく、1つのゴールが定まらない経営判断や対人ケア、新製品の開発などの分野にまで技術を革新していく。これにより、解決までの時間を短縮にしたり、失敗リスクの低減が可能になるという。たとえば、膨大な顧客の声を分析して新製品自体を開発したり、仮説からその受容体をリアルタイムに探索し、経験を持った人との合意を形成することが可能になるという。

NECの社会価値創造とAI技術の方向性

知性レベル支援での課題解決

 また、AIを支えるコンピューティング基盤の強化もあわせて進める。現状、機械学習はクラウド上で提供されることが多いが、実世界の変化にリアルタイムに対応するには、エッジコンピューティングでの処理やデバイス内部でのインテリジェンスも必要になる。これに向けて、正確な答えを出すための「ハードコンピューティング」の強化はもちろん、1つだけではない課題に柔軟に対応できる「ソフトコンピューティング」、さらには桁違いの電力効率を持つ人間の脳に近いコンピューターを目指していく。これに向け、AI関連の人員を1000名規模に増員し、2020年に売上累計2500億円を目指すという。

AIを支える新しいコンピューティング技術に挑戦する

■関連サイト

前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

アクセスランキング

  1. 1位

    TECH

    フォーティネットの「SSL-VPN廃止」 IPsec移行と脱VPN、それぞれの注意点を総ざらい

  2. 2位

    ソフトウェア・仮想化

    「SaaSの死」の影響は感じない ― グローバル以上に好調な日本市場、ServiceNow鈴木社長が語る

  3. 3位

    ビジネス・開発

    いますぐ捨てたいITサービスは? AI推しにそろそろ飽きてません? 情シスさんのホンネを「ゆるっとナイト」で聞いた

  4. 4位

    TECH

    「蟻の一穴」となるリモートアクセスVPNの脆弱性 ZTNA/SASEはなぜ必要か?

  5. 5位

    ネットワーク

    ネットワークとセキュリティの統合に強み 通信事業者系ZTNA/SASEサービス3選

  6. 6位

    デジタル

    海外駐在員の負担を軽減し、ワンチームへ kintoneは言語と文化の壁を越える「翻訳の魔法」

  7. 7位

    エンタープライズ

    基盤も古いし、コードも酷い! そんなクエストにGitHub Copilotで試行錯誤しまくった「みんな」こそ最高

  8. 8位

    ITトピック

    「AI導入で人員を減らしても収益は増えない」その理由/「専任情シス不在」中小企業の3社に2社/ユーザーアカウント流出が加速、ほか

  9. 9位

    sponsored

    完全自動運転の実現へ、チューリングが開発基盤にGMO GPUクラウドを選んだ理由

  10. 10位

    ビジネス

    医療費5兆円抑制につながる“国産ヘルスケア基盤”構築へ SMBC×富士通×ソフトバンクが業務連携

集計期間:
2026年05月17日~2026年05月23日
  • 角川アスキー総合研究所