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OpenShift PaaSと統合された「Red Hat Mobile Application Platform」

レッドハットがMBaaSの国内市場投入を発表

2015年11月05日 06時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 レッドハットは11月4日、MBaaS(Mobile Backend as a Service)の「Red Hat Mobile Application Platform」を国内市場に投入すると発表した。同日より評価版として提供を開始し、12月からはサブスクリプションサービスの販売を開始する予定。

発表会に出席した米レッドハット 社長兼CEOのジム・ホワイトハースト氏

レッドハット モバイル製品部門 副社長兼GMのキャサル・マクグロイン氏

 Red Hat Mobile Application Platformは、レッドハットが2014年10月に買収したフィードヘンリー(FeedHenry)の技術を、「JBoss MiddleWare」や「OpenShift」PaaS(関連記事)といったレッドハットの製品/サービスと組み合わせた、企業向けのモバイルアプリプラットフォームである。

 アプリの実行基盤としてだけでなく、iOS/Android/Windowsアプリ開発のための共通ツールや既存企業システム(バックエンド)との接続APIなどを提供することで、フロントエンドの開発チームとバックエンドの開発チーム、DevOpsチームをつなぎ、顧客の迅速かつセキュアなモバイルアプリ開発を支援する。

Red Hat Mobile Application Platformの構成概要(レッドハット資料より)。単一のプラットフォーム上でさまざまなツールやサービスを提供することで、企業バックエンドにアクセス可能なモバイルアプリの迅速な開発を可能にする

 提供形態としては、レッドハットによるマネージドサービス版、および顧客環境に配備できるオンプレミス版が予定されている。サブスクリプション価格は未定で、販売開始日までに決定するとしている。

企業バックエンドとモバイルアプリを直接つなぐためのMBaaS

 レッドハット モバイル製品部門 副社長兼ジェネラルマネージャーのキャサル・マクグロイン氏は、企業がデジタルトランスフォーメーション(デジタル変革)を推進するなかでは、モバイルアプリが企業と顧客との“接着剤”として中心的な役割を果たすと説明。迅速かつセキュアなアプリ開発を実現するためには、プラットフォームが重要であると語った。

 「今や数百万の顧客が、モバイルを通じて直接企業バックエンドにつながっている。さらにこの次の時代には、IoTにより数千万台のデバイスがバックエンドにつながることになる」(マクグロイン氏)

 マクグロイン氏は、Red Hat Mobile Application PlatformはOpenShiftプラットフォーム上で構築されており、両者の統合によってコンテナ化、オーケストレーション、自動化といった運用管理上のメリットも享受できると紹介した。

レッドハットのMBaaSは「OpenShift」PaaSとも統合されており、効率的なアプリケーション開発とライフサイクルマネジメントが可能になると説明された

 フィードヘンリー時代からの顧客を含め、Red Hat Mobile Application Platformはすでに多くのエンタープライズで採用されているという。マクグロイン氏は、その一例として英国の鉄道会社を取り上げた。この鉄道会社では、大規模な洪水災害が発生した際、その被害状況を収集するためのアプリをわずか8時間でリリースしたという。

シーメンス、3M、エレクトロニックアーツなど、Red Hat Mobile Application Platformのユーザー企業の例

英国の鉄道会社における導入事例。こうした古いタイプの企業でも、モバイルアプリ活用が求められている

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