クラシカルなデザインが高級感をかもし出す
富士フイルム「X-T10」
富士フイルムの「X-T10」(ボディーのみの実売価格 8万4000円前後)は、一眼レフスタイル採用のクラシカルデザインなミラーレス一眼だ。雰囲気は同社の上位機種「X-T1」に近く、外装がプラスティックになっているなど、値段相応の質感になっているが、一見しただけでは安っぽさよりも古びたデザインに目がいく。
また、本体のみの重量が約331gと、X-T1の390gよりも軽いので日常的に持ち歩いても不便ではない。
本機も同社ミラーレス一眼の中ではエントリーモデルに相当するが、基本スペックに大きな差はない。採用している撮像素子は有効画素数約1630万画素の「X-Trans CMOS IIセンサー」で、富士フイルムのデジカメでおなじみの「フィルムシミュレーション」(後述)など同等の機能が搭載されている。
上位機種のX-T1ではファームウェア Ver4.0で搭載された新しいAFシステムが、X-T10では最初から搭載されている。防水・防塵仕様ではないが、よほどの豪雨などの悪条件でなければ問題はないだろう。
おもにプロやヘビーユーザー向けのX-T1に比べて、同じ機能を安価に使える点が最大の特徴といえる。
使い勝手の面もかなりマニュアル志向な造りになっている。カメラまかせのフルオートモードは搭載されているが、パッと見た感じではその存在を確認しにくい。
2つのダイヤルを駆使して撮りたいシャッタースピードやピントの合う範囲を意識して、絞りを操作しながら思い通りに撮るための道具となっている。
もちろん、常に意識して写真を撮っていては疲れてしまうので、時にはフルオートで、気に入ったシーンに出会ったら気合を入れて撮る、というのが楽しめるデジカメだ。
(次ページに続く、「ISO 25600までは常用可能 X-T10の画質をチェック!」
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