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ハロプロファンが「はてな」育てた 近藤淳也会長講演

ウェブのデモクラシーは消えてしまうのか

2015年10月15日 16時17分更新

文● 盛田 諒(Ryo Morita)

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 いいコミュニティってなんだろう。

Image from Amazon.co.jp
角川インターネット講座 (5) ネットコミュニティの設計と力 つながる私たちの時代

 はてな代表取締役の近藤淳也会長が監修した『ネットコミュニティの設計と力』が8月25日に刊行された。日本のインターネットの全体をまとめた「角川インターネット講座」シリーズ(全15巻)の1冊だ。

 近藤会長は14日、講演会「角川インターネット講座 THE SALON」に登場。暮らしに役立つ知識をまとめたウェブメディア「nanapi」などのサービスを立ちあげた古川健介さん(以下けんすうさん)をゲストに講演した。

 講演で2003年に立ちあげた「はてなダイアリー」の話になったときのこと。けんすうさんが「モーニング娘。」のファンがブログを書いていたイメージがある、と言ったことに答え、近藤会長がいきさつを明かした。


ハロプロファン「俺たちがはてなを育てた」

 きっかけは2002年に開始した『はてなアンテナ』だ。

「当時は、個人のホームページ(ウェブページ)が更新されたかどうか巡回するのがすごく大変だったんです。ブックマークの上から順番に見るというのを毎日何十分もやらないといけなくて、これほんとどうなってるんだという感じだった。巡回ソフトにしても普通の人には使えない。CGIをインストールして、クローラーを回して自動実行してくださいとか言われても意味不明。それを誰でもできるようにしたのが『アンテナ』だったんですね」

 まだHTMLベースのウェブページを作って「日記」を書いていた状態。日記も記事単位でURLが発行されておらず、RSSもない。日記に対してコメントを残したければゲストブック(掲示板)に書きこむほかなかった。

 そして、それはアイドル情報にしても同じだった。

「そこでハロプロファンの人が『モーニング娘。アンテナ』というものを作って、ファンの方が『これは便利だ!』ということで何万人と押し寄せてきた。アンテナを中心に『ここを見ればすべてわかる」というので集まられた。それでブログが始まったので『みんなで書こう』ということになって」(近藤会長)

 以来、ハロプロファンの間では「俺たちがはてなを育てた」という共通意識ができたとか、できなかったとか。

 はてなはその後も、日本らしい独自目線でサービスを開発してきた。その中でも面白い例がある。「はてなハイク」だ。

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