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盛田 諒の「アスキー家電部」 第4回

アスキー3分ハッキング feat.スイッチサイエンス

簡単!トースターで電子基板づくり♪ アスキー3分ハッキング

2015年10月31日 11時30分更新

文● 盛田 諒(Ryo Morita)

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基板をトースターでチン♪

それではトースターのスイッチをオン、7分半ほど焼きます。もうぜんぜん「3分ハッキング」じゃないですね。

──いいんですよそれは。本家だって「できあがったものはこちら」とかやってるじゃないですか。

まあそりゃそうだけど……。

──ところで、これは市販のトースターですか?

市販のオーブントースターを改造した高級品です。電熱線のオン・オフをSSR(無接点リレー素子)という素子で制御しています。

──先生、さっきの「リフロー」というのはなんですか?

要するにクリームはんだを溶かしてくっつけることです。オーブンそのものは本当はあんまり見せたくないお恥ずかしいものなんだけど……。

──先生、そんなこと言わないでください。

本当のプロはでかいオーブンを使うんですよ。いくつもヒーターがついていて、ベルトコンベアーで基板が流れていくことではんだづけされる。全体で4.5kWくらい、ドライヤー3~4個くらいの電力を使うんですけど。でも、ぼくらはそんな巨大なものを導入できないので、こういったかわいいものを使っていると。

──このトースターはいくらぐらいなんですか?

5000円する高級トースターです。前は2000円のトースターを使ってましたけど全然ダメだったんですね。庫内の温度がムラになっちゃって、一部は加熱されていて、一部は加熱されていない。パンが均一に焼けるというふれこみのトースターを買ってきたら、うまくいきました。

──いいですね、パンも基板もうまく焼けて。

それを買ってきて改造して使ってると。何を改造してるかというと温度制御です。はんだが溶けたら、溶けた状態を10秒ほど維持して、ヒーターを切る。急激に温度を上げると壊れる部品があるので、温度をゆっくり上げる必要があるんです。まず150度まで上げる。上がったら、1~2分かけて200度くらいまで温度を上げる。そこまでいったらあとは大丈夫だというので260度くらいまで上げる。これはわたしたちが製品として売っているコントローラーを使っています。

──普通の方はマネできませんね。

そりゃそうですね。あとは外側の箱も重要です。全体のリフローにかかる時間が延びてしまうと、部品と基板が焦げてしまう。当時は10~15分くらいかかっていたけど、いまは箱のおかげで7分半に短縮できました。

(ピピピピ、ピピピピ……)

おっ、焼きあがりましたね。

──おお~~! できたか見てみましょう!

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