クラウドファンディングで生まれたスマートウォッチなど
IFA 2015のソニーブースで展示したSAP対象製品は、5つだ。
スマートウォッチの「wena wrist」は、アナログ腕時計のデザインや世界観をそのままに、独自技術によって、バンド部に、非接触ICカード技術のFeliCaによるサイフケータイ機能、スマートフォンと連動した電話やメールの着信のほか、SNSの更新を光や振動で確認できる通知機能、歩数や消費カロリーなど活動量計としてログ収集機能を搭載。アンテナやバッテリーもバンド部に搭載している。クラウドファンディングでは、支援者は3万4800円から6万9800円の支援コースを選び、クラウドファンディングが達成されると製品が届けられる。
「MESH」は、「誰でも発明家になれる」をコンセプトとした、スマートDIYキット。ブロック状のタグで用意された無線でつながる加速度センサーなどを、身近なものに埋め込んだり貼り付けたりすることができるもので、さまざまな機能をもつタグを直感的に連携させることで、モノや環境をカスタマイズし、デジタルなモノづくりが簡単に楽しめるというものだ。
また、ファッションとテクノロジーを融合するFashion Entertainmentsの第一号商品となる「FES Watch」は、文字盤とベルトを1枚の電子ペーパーで作ることで、ボディ全体の柄が変わる時計。その日の服装や気分に合わせて24通りのパターンからデザインを選ぶことができる。
そして、「あなたになじむリモコン」をコンセプトとした「HUIS REMOTE CONTROLLER」は、電子ペーパーを用いたリモコンで、多数の家電をシンプルに使えるほか、リモコンを欲しいボタンだけにカスタマイズできるというものだ。
また、家の施錠などができる「Qrio Smart Lock」は、スマートフォンで鍵の操作ができるデバイス。LINEやfacebookなどのメッセージ機能を使って、家族や友だちなど、来てほしい人に、来てほしい時間だけ、鍵をシェアできるというものだ。
こうしたアイデアは、家電や時計など、これまでのソニーが取り組んでいない領域にも踏み出すきっかけにもなるといえそうだが、平井社長は、「現時点で、白物家電に対して、具体的なアクションはないが、IoTを軸にし、ソニーらしさや、ソニーのイノベーションが提供できる場合には、白物家電などの分野に対して、参入する可能性はあるだろう」とする。
まだアイデアを市場に送り、打率を高める段階だが
平井社長は、「SAPは、いまは多くのアイデアを市場に出し、そのなかで、『打率』を高めることに力を注いでいる段階」としながら、「ソニーの本業に反映するのはまだ先というものも多いが、ソニーの将来の柱になっていく芽になるビジネスの創出にも期待している」とする。
そして、「ソニーがこれから挑戦していくなかで、変わらないものがあるとすれば、全世界のお客様に対して、様々なイノベーションを盛り込んだコンシューマエレクトロニクス製品を出し続けること。これはソニーのDNAであり、指命である」と語る。
SAPは、ソニーらしさ復活の象徴になりうるのか?そして、将来の柱に育つのか?まだ挑戦は始まったはかりだ。
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