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実はレアアイテム満載のとんでもなく豪華なツアーだった

ARアプリで「ぼんぼり祭り」にお導き!! 準天頂衛星「みちびき」×アニメ「花咲くいろは」コラボツアー

2015年09月07日 18時00分更新

文● MOVIEW 清水、編集●オオタ/ASCII.jp

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準天頂衛星システムとのコラボで改修した観光ARアプリ

――3月に箱根で実証実験が行なわれているとのことですが、どのような課題がありましたか?

NEC神藤さん:3月の実証実験はかなりタイトなスケジュールで、エヴァンゲリオンのARアプリと共同企画にしたかったのですが時間がなく、アニメとのコラボということはあまりできていませんでした。それを今回、がっちりと行ないました。

 また、品川と小田原から箱根に来てもらってフリー周遊してもらうように企画したのですが、小田原から箱根までは30分くらいしか時間がなくて、いろんなツール類を用意したのに説明する時間がほとんど取れませんでした。スマホで日ごろ使っていないアプリを使うとなるとハードルが高くなり、現地に着いてからどうやって使うのかと迷うことがあったのも反省点です。

 また、いろんな形で楽しんでもらおうと思い、いろんな企画を作りすぎて、アプリをたくさん用意してしまったために上手く回らなかった。音波をスマホが感知すると自動的にURLが出てくるアプリ、ビーコンが出しているWi-Fiの電波を受け取るとその場所の見どころが出てくるアプリ、バスの位置情報を見るアプリ、それ以外にエヴァンゲリオンのARが楽しめるアプリがあり、全部で5本くらいアプリがあって、多すぎて混乱してしまったということがありました。ですので、今回の実証実験ではアプリの操作性をなるべくシンプルにし、本数が少ないほうがハードルが低いのではないかと考えました。

 あと、どのように事前に告知するのかという問題については、今回はJTBが企画しているツアーなのですが、事前に発送する書類の中にアプリの紹介を入れて事前に少しでもレクチャーするようにしています。ツールが楽しめないといけませんので、そこは十分に配慮する必要があると思っています。新幹線での移動が2時間くらいあるので、そこでもオリエンテーションを行ないます。

――「花いろ旅アプリ」はどのような改修を行ったのでしょうか?

NEC神藤さん:通常のARはスマホの位置情報を使って、その近くにきたらARが出ます。しかし、スマホの位置情報はそれほど精度は高くありません。これは、準天頂衛星を使うことでピンポイントの10メートル以下の精度を出すことができます。場所にもよりますがGPSは誤差5~10メートルと言われていて、それを準天頂衛星では2~5メートルの精度で出せる専用の受信機を使って実証実験を行ないます。

 つまり、準天頂衛星では、交差点の角に来ないとARが表示されないとか、ポストの前に来ないと表示されないといったことができます。従来のGPSでは目的地の手前で表示されてしまうとか、予定してない表示をされてしまうとか、そういうことがありえるんですけど、今回はピンポイントなので想定したものが出せます。

――ARは既存のものを流用でしょうか?

パックス佐古田さん:「花いろ旅アプリ」のAR自体は従来から実装してる機能ですが、登場させるキャラクターはこの企画のために描き起こしました。また、ARスポットもこの企画のために新たに追加しました。

 このアプリ自体、金沢市の湯涌温泉と、のと鉄道沿線の七尾市・穴水町で稼働させているアプリなので、このように広域で1つの企画を行なうのが初めての経験でした。どういう企画ができるか、練り込む段階がいちばん苦労しました。

 ファンの皆さんが年に1回楽しみにされているお祭りなので、作品の設定を考慮しながら、そこに向かうツアーでどういう「ワクワク感」を演出できるかにこだわりました。劇中のお祭りでも、実際のお祭りでも使われる「のぞみ札」をキーアイテムとしてアプリの中に組み込めないかという話が企画会議で出てきたんです。

――新たに描き起こしというと時間がかかるのではないですか?

パックス佐古田さん:それはもう急いで(笑)。2ヵ月くらい前から急ピッチで準備しています。

P.A.菊池さん:やるからには精一杯やらせていただく必要があるので、「SHIROBAKO」的な? スケジュールでやる必要があるなと(笑)。祭りはずらせないし、期日は迫るし、ツアーの締切も迫るし、そういう作業をしてもらった結果、良いアプリができました。

「花いろ旅アプリ」のホームメニューでは主人公である「松前 緒花」が、最寄りのARポイントの方向を指差して案内してくれるギミックも

84名限定!? このツアーだけのお楽しみ

――キャラクターはどのようにしてアプリ内で登場させるのでしょうか?

パックス佐古田さん:名刺サイズのARマーカーカードをお配りして、そのカードにアプリのARカメラをかざすとキャラが表示されます。現在も、湯涌温泉ではのぞみ札を奉納された方に、のと鉄道では切符を買われた方にARマーカーカードを差し上げています。それとは別のツアー参加者限定のカードを今回新たに作りました。

 また、「湯涌ぼんぼり祭り」の最後に「お焚き上げの儀」という神事があって、皆さんの願いが書かれたのぞみ札を焚き上げて天に願いを届けるんですが、そこをなんとかツアー参加者に見せていただけないかと湯涌温泉の皆さんにお願いしたところ、特別に入場させていただけることになりました。

「お焚き上げの儀」

 ツアー2日目には、「花咲くいろは」で登場する「湯乃鷺駅」のモデルになった、のと鉄道の西岸駅に行くことになっています。こちらの駅名標の一部は、のと鉄道様のはからいで「湯乃鷺」という名前に掛け替えをしていただいてるんです。今回はこのツアーに合わせて全部の駅名標と駅の看板をすべて湯乃鷺という名前に変えていただけることになりました。実際のアニメに近い形で再現し、ツアー参加者の皆さんにたのしんでいただきます。

 最後は「ぼんぼりオーケストラ in 金沢」で「花咲くいろは」の楽曲と、キャストの皆さんによる新作朗読劇を楽しんでいただきます。オーケストラアンサンブル金沢様は、日本海側でいちばんと言われてるようなオーケストラで、今回ツアーに協力いただいて席を用意してくださいました。

――駅名をすべて変えるというのは鉄道ファンも喜びそうですよね

パックス佐古田さん:鉄道関連では、開業したばかりの北陸新幹線を1両貸し切るのですが、これは初めてということです。また、新幹線の開業に合わせて、「のと里山里海号」というのと鉄道様の観光列車の運行が始まったんですが、これも貸し切ります。

「のと里山里海号」

 のと鉄道様では「花咲くいろは」ラッピング列車も運行されていますが、ツアーの参加者の到着時間に合わせて駅に止めていただけるよう調整されています。

のと鉄道の「花咲くいろは」ラッピング列車

――ツアーで行われる実証実験とは、具体的にどのようなことをするのでしょう?

NEC神藤さん:準天頂衛星を使った高精度測位により、ARの出現を楽しめます。

P.A.菊池さん:ARはこの実証実験でしか楽しめないARになります。

パックス佐古田さん:ARマーカーカードなどの、アイテムがないと見られないという条件があるので、ツアーに参加してカードを手に入れた方しか見られません。

――取得したキャラクターなどは記録として残すことはできますか?

パックス佐古田さん:写真に撮るなどでスマホの中に記録できるようになっていますが、準天頂衛星を受信することが条件ですのでツアー参加者以外の方には探すことができません。

P.A.菊池さん:ツアーに参加して保存する、それがレアアイテムになります。

パックス佐古田さん:ツアーのために描き下ろした版権イラストを、ツアーに参加した方にお渡しするパンフレットやグッズに入れさせていただきます。それも当然ツアーに参加しないと手に入りません。ツアー人数分しか製作していませんので相当特別感があります。

ツアー参加者だけがもらえる「ツアーパンフレット」「バインダー」「防水スマホケース」(製作中のものですので、実際の商品と異なる場合があります)

――キャラクターボイスも録り下ろしとのことですが、どのくらいの種類がありますか?

パックス佐古田さん:新幹線の車内でのみ楽しめる、「かがやき」の停車駅を紹介するボイスをこのツアーのために録りました。金沢市内で準天頂衛星を使って探していただくポイントのボイスも新しく録りました。

 金沢市内では主な観光地にポイントを置きますので、その観光地を紹介する観光ガイド風のアナウンスにしています。アプリでは「花咲くいろは」のキャラクターが5人登場するのですが、5人の声優さんにすべてご登場いただきました。このツアーのために録ったボイスです。

 キャラクターボイスを獲得すると、スポット一覧に描かれているぼんぼりが灯っていきます。すべてのボイスが揃うとアプリ内の「のぞみ札」が光り輝き、「のぞみ箱」に入って願いが叶う、という趣向です。

実際に現地に行ってスマホに保存したキャラクターボイスはいつでも聞けるようになる

願いを書き込む「のぞみ札」

「のぞみ箱」

灯っていく「ぼんぼり」

アプリに登場する「のぞみ札」「のぞみ箱」「ぼんぼり」(現在開発中の画像です)

――実証実験ということはレポートの提出が必要ですか?

NEC神藤さん:データは我々のほうで回収します。準天頂衛星の受信機の中にログがすべて残るのでそれを回収して解析します。どこへ行ったかということをレポートに書くということはありません。

――ツアー参加に必要なものはスマホだけでしょうか?

NEC神藤さん:スマホだけで参加できます。準天頂衛星の受信機が必要になりますので、それは貸し出します。

 スマホはiOSでもAndroidどちらでもOKで、「花いろ旅アプリ」に対応している端末なら問題ありません。

――タブレットはどうでしょう?

パックス佐古田さん:GPSがついているタブレットなら基本的に問題ありません。ちなみにiPad(3G/4Gモデル)では稼働を確認しています。

今回の実証実験用に作成した3Dキャラクター。ツアー参加者だけがゲットできる、超レアのARマーカーカードだ(キャラクターは開発中のものです)

次ページでは、「準天頂衛星の役立つ点と今後について

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