17位から3位にまで上りつめたミクSLS
30日、決勝日。今シーズンはFIA-F4、ポルシェ・カレラカップとサポートレースが2つもあるため、スケジュールが過密なのだが、今回はレース距離が1000kmということも加味され、朝のフリー走行がなくなり、ピットウォーク後にスタート進行という、変則的なスケジュールになった。
決勝レースは雨のスタートとなった。ミクSLSは17番グリッドからのスタートなので、序盤の混乱は必至。そんな混乱に強い片岡選手が最初のドライバーを務めた。このとき装着していたウェットタイヤがハマったのか、片岡選手は1周目に5台抜き、さらにどんどん順位を上げていき、29周目にピットインしたときには8位になっていた。
タイヤを交換し、ドライバーは谷口選手に交代。アウトラップで23位まで落ちたが、再び順位を回復していき、55周目には7位まで上がってきていた。そして何のトラブルもなく56周目に2回目のピットイン。このとき、雨は上がり路面は乾きつつあったので、チームはスリックタイヤをチョイス。片岡選手が再びコースイン。
しかし、ピットアウト直後にクラッシュがあり、そのままセーフティーカーランとなった。62周目にセーフティーカーは解除されたものの、68周目にコースアウトした車両を回収するべく再びセーフティーカー。73周目にレースが再開されたのだが、このとき7位になっていた。大きく開いていた上位陣との差もなくなり、一気に勝負を賭けるチャンスになった。
レースも中盤を過ぎ、徐々にサバイバルレースになってきた。ペースを落としたり、ペナルティーを受けたライバルたちをかわし、ミクSLSはなんと3位まで上がってきていた。17位から3位である。表彰台圏内に入ったのだ。俄然、燃える展開だ。
3位のまま、94周目に再びピットインし、谷口選手へ交代。このまま一気に頂点を目指すと思いきや、チームに暗雲が立ちこめる。名手・谷口選手がなんと2回目もスピンしてしまったのだ。1回目はバトル中にGT500と絡み、行き場をコースアウト。このとき、芝がフロントのエアダクトにびっしりついてしまい、各種温度の上昇を心配したチームは緊急ピットインをさせる。そして、2回目は痛恨の単独スピンであった。
大幅に順位を落としてしまったミクSLS。ボーナスポイントが付くため、こうなったらひとつでも上の順位でフィニッシュしたい。124周目に最後のピットインで片岡選手に交代し、前を行くライバルたちを追撃する。
なんとか8位まで順位を戻したものの、そのまま約6時間にわたるレースはチェッカーとなった。
ここで表彰台に立てれば、チャンピオンに向けて優位とは言わないまでも争いには加われたはずだった。しかし、残念ながら大量ポイントを獲得することは叶わず、シリーズランキングは12位のまま。2連覇を考えると非常に厳しい結果となってしまったが、まだあと3戦残っている。最後まで諦めずに応援してほしい。
(次ページでは、「関係者インタビュー」)
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