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myrmecoleonの「グラフで見るニコニコ動画 第2期」 第7回

初コミケの刀剣乱舞は? アイマス・ハイキュー!!・弱ペダ・ヘタリアは増加!

コミックマーケット88の二次創作人気を調べてみた&pixivデータで次回予想も

2015年08月10日 18時00分更新

文● myrmecoleon 編集●村山剛史/ASCII.jp

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pixivからのコミケ予想――海外と学生を除いて精度を上げてみた

 恒例のコミケのサークル数とpixivの二次創作投稿数の比較ですが、前回の記事で「作品毎の投稿者の平均年齢・国外投稿者の比率と上記の方法で予想しづらい作品に関係がありそう」と書いたので、今回はこれをふまえて予想精度の向上を試みます。

 pixivのイラスト投稿者の2割以上は海外からです第1期第41回「海外からも集まる100万人の「絵師」の遊び場・pixiv」参照)。また海外からの投稿者の比率は作品によっても大きく違い、海外からの投稿が4割を超える作品もあります。

 コミックマーケットは国内の住所がないと参加申し込みができないため、海外からの参加サークルは日本人が協力しているケースなどごく少数です。海外で人気があってもコミケのサークル数には反映されにくいため、海外からの投稿者が多い作品はコミケ予想をする上では大きく出てしまいます。

 またコミケの申し込みには義務教育の終了が必要で、申し込みができても現在のコミケは平均年齢が高く、10代のサークル参加者は2%ほどしかいません(コミックマーケット78時点)。これも親などが代表となって参加する場合はあるものの、中高生の作者がサークル参加することは稀と思われます。

 pixivは10代の投稿者が2割を超えており、中学生・高校生の投稿者も多いです。こちらに関してもコミケ予想の上ではノイズとなります。

 pixivで人気の高い作品について、7月中に投稿したイラスト投稿者の海外投稿者比率および国内投稿者中の小中高生投稿者の比率を以下の表で示しました(今回は年齢でなく職業の情報を使用。APIで取得したそれぞれについて情報を公開しているユーザー内の比率)。

pixivにおける海外投稿者/国内投稿者中の小中高生投稿者の比率
作品 海外投稿者比 国内小中高生投稿者比
艦隊これくしょん 15% 8%
東方Project 16% 17%
アイドルマスター 9% 7%
ハイキュー!! 13% 32%
黒子のバスケ 13% 26%
弱虫ペダル 10% 14%
ラブライブ! 21% 25%
進撃の巨人 15% 16%
刀剣乱舞 23% 17%
TIGER&BUNNY 7% 0%
ヘタリア 34% 34%
VOCALOID 41% 35%
Free! 24% 24%
血界戦線 17% 17%
スプラトゥーン 12% 19%

筆者調べ


 上記の表を見ると分かる通り、これまで誤りの大きかった「VOCALOID」「ヘタリア」は海外投稿者・学生投稿者ともに高い傾向があり、サークル参加の見込まれる規模が大きく違っていたことが分かります。逆に、pixiv投稿数が少ないにもかかわらずサークル参加の多い「TIGER&BUNNY」はこうした投稿者はほとんどいません。

無料配信中の「ヘタリア The World Twinkle」第1話

 今回はこの比率を使用してイラスト投稿数を補正し、コミケのサークル数と比較してみます。

 まず確認として、今回の申し込み時期に近い2015年1月15日から21日の投稿イラスト(1期第41回グラフ5で使用したデータ)と前回・今回のサークル数をみてみます(グラフ4)。

 補正した値でみると、今回増加した作品のうち「アイドルマスター」「ハイキュー!!」「弱虫ペダル」「刀剣乱舞」「ヘタリア」はいずれもコミックマーケット87の位置を上回っており、また減少した作品のうち「艦隊これくしょん」「東方Project」「黒子のバスケ」「TIGER&BUNNY」「VOCALOID」「Free!」は逆に下回っていることが分かります。

コミックマーケット88では東方Project第15弾にあたる新作「東方紺珠伝」の頒布も控えている

 これ以外では、ほぼ変わらない「進撃の巨人」は微減。「ラブライブ!」は唯一コミックマーケット87の位置を上回っているのにサークル数が減っていますが、上記した通り「ラブライブ!」は男性向以外のサークルは増加しているため、この点も考慮すべきなのかもしれません。

 これまでの手法よりも例外が少なく、より相関した結果が出ています。増え方減り方の幅はそれぞれ違いますが、より高い精度で推定ができると思われます。

コミックマーケット88および87のサークル数と、2015年1月15日~21日に投稿されたイラストについて作品ごとにタグを名寄せして作品数をカウントしたもの(第1期第41回グラフ5で使用したのと同じデータ)を海外投稿者・国内学生投稿者の比率で補正したもの。透過している緑色がpixivの補正済み投稿数。pixivの投稿数は左軸、コミケのサークル数は右軸。左右の軸はおおむね両値の比の平均に近くなるように調整している

(次ページでは、「次回コミケ89予想――刀剣乱舞・東方・ラブライブ!は増加、艦これ・アイマス・黒子・弱ペダは減少」)

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