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GALAX「GF PGTX980TI/6GD5 HOF」

白基板&ガチOC仕様のGALAX製GeForce GTX 980 Ti

2015年07月29日 11時00分更新

文● 清水 貴裕 編集●北村/ASCII.jp

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ガチOCモデルの実力をテスト!
TITAN Xよりも速いってホント?!

 カリカリにOCされたGeForce GTX 980 Ti搭載カードとなると、性能比較にぶつけるのはアイツしかいない。そうGeForceのフラッグシップGPUである「GeForce GTX TITAN X」だ。

 テストには「3DMark Fire Strike」のノーマルプリセット(解像度1920×1080ドット)と「ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルドベンチマーク」(DX11、最高品質、解像度1920×1080ドット、フルスクリーンモード)を使用した。

3DMark Fire Strike

 まずは、ベンチマーカー御用達の「3DMark Fire Strike」のノーマルプリセット(解像度1920×1080ドット)を実行してみた。

 結果は、「GF PGTX980TI/6GD5 HOF」が総合スコアで約6%、グラフィックス性能を表すGraphics Scoreでは15%高速なスコアを記録して圧勝。CUDAコアやテクスチャーユニット削減の差を感じさせることなく、実動作クロックが200MHz以上高い「GF PGTX980TI/6GD5 HOF」が良い結果を残したかたちだ。

ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルドベンチマーク

 次に前作よりも重くなったと評判の「ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルドベンチマーク」のDX11バージョンを最高品質で実行。解像度は1920×1080ドットでフルスクリーンモードを選択している。

 ここでもGeForce GTX TITAN Xを大きく上回るクロックで動作する「GF PGTX980TI/6GD5 HOF」のターンは続く。総合スコアは18551ポイントに達し、17293ポイントを記録したGeForce GTX TITAN Xよりも7%程高速な結果となった。

 検証を通じて思ったのはGPU Boostの効きが安定していることだ。ブーストクロックの高さもさることながら、その効きが安定しているので実クロック以上にスコアが出ている印象を受けた。競技OCの世界において、GPUクロックあたりのスコア効率の高さに定評があるGALAXだけに、製品にもそのチューニング技術がフィードバックされているのだろう。

白基板の限界まで手動でOCしてみた

 製品定格でブーストクロック1400MHz動作が可能ならば、もっと上が狙えるのでは?と思い、手動でのオーバークロックに挑戦してみた。

 検証には、NVIDIA系のカードに使用できるOC向けユーティリティーの「NVIDIA Inspector 1.9.7.3」を使用。Power TargetとTemperture Targetの設定値を上限に設定した状態で、GPUコアとVRAMのOC限界を探った。借り物を壊すわけにはいかないので、電圧設定は定格のままだ。

手動OC時の3DMark Fire Strikeのスコアは16964だった

「GF PGTX980TI/6GD5 HOF」はOCモデルということもありPower Targetの値を120%まで設定可能

GeForce GTX 980 TiリファレンスカードのPower Target設定の上限値は110%となっていた

 最終的にGPUクロック1494MHz、メモリクロック2008.8MHzでの「3DMark Fire Strike」の完走に成功。この時の総合スコアは製品定格から6%向上して16964ポイントを記録し、Graphics scoreは8%向上して21426ポイントを記録。

 電圧を上げればブーストクロック1500MHzオーバーでのベンチマーク完走が射程圏内ではあるが、実は総合スコアはブーストクロック1450MHzあたりからほとんど伸びていない。

 消費電力が想定よりも低かった場合に動作クロックを引き上げるというGPU Boostの仕組み上、消費電力値が設定したPower Target(想定消費電力値)の値に近付けば近付くほどブーストクロックは低くなってしまい、スコアの効率はどんどん落ちていくのだ。

 今回のOC検証では、ベンチマーク中の負荷の軽いシーンでは高クロックで動作するものの、消費電力値の増加する負荷の掛かるシーンではブーストクロックが下がってしまうので、総合スコアが伸び悩んでしまったわけだ。ここからさらに上を目指すとなると、BIOSを自分で改変してPower Targetの上限値を140%あたりまで引き上げる必要がありそうだ。

 上を目指すとなるとそれなりのスキルが必要になりそうだが、定格状態でもブーストクロックの実測値が高く効きも安定しているので、そのまま使っても「GF PGTX980TI/6GD5 HOF」は十分速い。誰が使っても高いパフォーマンスを容易に得られるのは本製品最大の魅力と言えるだろう。

Hall Of Fameの名前は伊達じゃない!
「GF PGTX980TI/6GD5 HOF」はやっぱり速かった

 高品質コンポーネントで完全武装の白基板、高い冷却力を発揮する3連ファンクーラー、高クロック動作向けにチューニングされたBIOSなど、GeForce GTX 980 Tiの真のポテンシャルを引き出す実装てんこ盛りの「GF PGTX980TI/6GD5 HOF」は、GeForce GTX TITAN Xをも凌駕してシングルGPU最速クラスの製品に仕上がっている。

パフォーマンスと冷却力を高次元で両立した「GF PGTX980TI/6GD5 HOF」は、激戦区のGeForce GTX 980 Tiカテゴリの中で有力な選択肢となる1枚だ

 製品自体は7月10日に発売済みで、現在の市場価格は10万8000円前後。GeForce GTX 980 Tiのリファレンスカード最安モデルと比べると1万8000円程高価だが、GeForce GTX TITAN Xの最安モデルと比べると2万円程安価なので、コストパフォーマンスはかなり高い。

 12GBのVRAMを必要としない環境で、とにかく速いカードが欲しい人にとっては大変魅力的な製品なので、ゲーマーからオーバークロッカーまで多くの人にオススメできる製品だ。

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