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20周年を迎えたカシオ「QV-10」の開発秘話! ファインダーの代わりに液晶を……

2015年07月22日 19時23分更新

文● ハシモト/ASCII.jp

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発売20周年となる「QV-10」

発売20周年となる「QV-10」

 カシオ計算機は22日、世界初の液晶付きデジタルカメラ「QV-10」発売20周年を記念したプレスイベントを開催。会場には歴代の代表的な同社デジタルカメラが展示されていた。

珍しいQV-10のスケルトンモデルも展示されていた

 QV-10は1995年3月10日に発売されたデジタルカメラで、6万5000円という価格ながら発売後1年間で20万台を販売。個人向けデジカメ普及のきっかけとなったモデルとして認知されている。

カシオの代表的なデジカメを写真で紹介

2002年発売の「EX-S1」は当時、世界最薄のカードサイズとして発売された

2003年発売の「EX-Z3」は世界的に大ヒットしたモデル

2003年発売の「EX-Z3」は世界的に大ヒットしたモデル

ペンタックスと共同開発した沈胴式3倍ズームレンズ搭載

ペンタックスと共同開発した沈胴式3倍ズームレンズ搭載

2004年発売の「EX-Z40」は、ロングバッテリーをうたったモデル

2004年発売の「EX-Z40」は、ロングバッテリーをうたったモデル

2006年発売の「EX-Z1000」。デジカメは800万画素で十分だ、といわれた時代にあえて1000万画素センサーを搭載した

2006年発売の「EX-Z1000」。デジカメは800万画素で十分だ、といわれた時代にあえて1000万画素センサーを搭載した

2008年発売の「EX-F1」は、ハイスピードを軸にしたモデル。1200fps撮影が可能

2008年発売の「EX-F1」は、ハイスピードを軸にしたモデル。1200fps撮影が可能

2011年発売の「EX-TR100」。元々アメリカをターゲットした製品だが、結果的に中国で爆発的に売れたフリースタイルカメラ

2011年発売の「EX-TR100」。元々アメリカをターゲットした製品だが、結果的に中国で爆発的に売れたフリースタイルカメラ

2014年発売の「EX-FR10」。QV-10でやりたかったコミュニケーション機能や分離仕様などを盛り込んだ

2014年発売の「EX-FR10」。QV-10でやりたかったコミュニケーション機能や分離仕様などを盛り込んだ

そもそもはカメラ付きテレビだった!?

左から麻倉怜士氏、末高弘之氏、中山仁氏

 今回のイベントでは、QV-10発売当時に「衝撃的に惚れ」、「何台も購入」し、持ち歩いたら女の子にモテまくったというデジタルメディア評論家の麻倉怜士氏と、QV-10開発者の末高弘之氏、カシオ計算機 執行役員の中山仁氏が対談を行なった。

1987年発売の電子スチルカメラ「VS-101」。12万8000円という価格だった

 まず、末高氏がQV-10開発までを振り返った。はじまりはフィルムカメラを何か変えてみよう、ということで製品化したのが電子スチルカメラ「VS-101」。5インチフロッピーに画像記録するカメラで、フィルムの残り枚数を気にする必要がなく、テレビにつなげれば即画像確認が可能だった。

「熱子」(左)と重子(右)と名付けられた、1991年のデジカメ試作機

「熱子」(左)と重子(右)と名付けられた、1991年のデジカメ試作機

 VS-101はフロッピー記録だが基本的にアナログで、カメラをデジタル化することで小型化できないか、という模索がはじまる。その中で開発されたのが1991年のデジカメ試作機。

 デジタル記録を実現したが、発熱がすごく、とても重いものとなった。熱対策としてファンを取り付けたものの、その場所がファインダーに当たる部分で、ファインダーのないカメラになってしまった。

「カメラテレビ」と題されたQV-10の企画書

「カメラテレビ」と題されたQV-10の企画書

用途提案について100通りの案を考えた

用途提案について100通りの案を考えた

 この後、液晶を取り付ける試みが行なわれ、この使い勝手に確かな手ごたえを感じた末高氏。しかし、デジカメ開発の失敗から、社内で開発の継続が不安視されるようになる。

 ちょうど同じころ、ポケットテレビの延長としてのカメラ付きテレビを企画していた中山氏がQV-10の開発に加わる。

 ちなみに、カメラテレビの企画書には、ビジュアルメモ、コミュニケーション、データバンクという3つの基本コンセプトが盛り込まれていたが、これは今のスマホが体現しており、ある意味スマホの機能を先取りした発想だった。

回転機構を確認するためのモックアップ

回転機構を確認するためのモックアップ

カメラ機能付きのポケットテレビは結局未発売となった

カメラ機能付きのポケットテレビは結局未発売となった

 企画案では分離型だったカメラは回転式となるなどの仕様変更はあったものの、カメラテレビの試作機が完成。しかし、それは製品化されず、液晶付きデジタルカメラのQV-10として製品化された。

QV-10用の外付けFDD。画像記録が行なえた

QV-10用の外付けFDD。画像記録が行なえた

 当初、QV-10は月産3000台の予定だったが、前述のとおり大好評で1995年の夏には月産1万台に増産。1年間で20万台を売り上げる結果となった。

 その後同社は、世界最薄のカードサイズカメラや、沈胴式レンズ採用カメラ、1000万画素超のデジタルカメラなど意欲的な製品を投入。2011年にはフリースタイルカメラ「EX-TR100」が中国で大ヒットし、今でも自撮りカメラの代名詞としてブランド力を保ち続けているという。

 そんな同社が今後目指すデジカメの形として、すべてを動画で撮影する「静止画/動画ボーダーレス化」や、自動認識機能による「シャッターレス化」、ネットワーク接続による「メモリーレス化」、そして電子ズームやデジタル補正、画像処理による高感度化などを突き詰めた「完全デジタル化」(光学機構から離れる方向)を挙げた。

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