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ASCII.jpと読者で作る!ビジネスメールのデファクト・ルール!2013年度版 第1回

ちょっと前より回線は太くなったし、サーバーも強化されたはず!?

メールの添付ファイル、近ごろOKな容量は○MB!?

2015年07月03日 09時00分更新

文● 柳谷智宣 編集●ASCII.jp

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送ったハズのメールが受け取れない理由は容量が問題!?

 次に、考えたいのがメールボックスの容量。メールが届くと、メールサーバーの自分用スペースに保管される。この容量の上限も決まっていることが多い。例えば、Gmailなら数GBをまとめて保存できる。最近のプロバイダーも十分内容量を確保している。しかし、企業だとそうもいかない。自社でそんなに余裕をもったシステムを構築できないケースの方が多いのだ。古いシステムなら最大100MBまで、といったところもあるだろう。そんなところに10MBのメールが10通届いたら、もう一杯だ。メールボックスが一杯になると、そのアカウントではもうメールを受け取れなくなる。添付ファイルがないメールを送信してもエラーになってしまうのだ。そうするとどうなるか。

オフィスあるある話 その2

新人「Aさん、では資料送っておきますね」(10MB×10通送信)
 B「Aさん!さっきからメールしてもエラーで返ってくるよ、どうなってるの!」
 A「添付ファイル……」
 B「何も添付してないよ!」
 A「(確認)サーバーがパンクしてました! すぐ削除するので、もう受信できます!」
 A(ふー危なかった。何なんだよ、一体……。あ、新人のやつが送り付けてきたメールが原因か!)

 と恨みが爆発するのだ。実際、Aの使っているシステムが貧弱なことが原因だとしても、パンクさせた人にはイラッとしてしまうもの。

 筆者も、以前初めての人から50MBほどの添付ファイルが付いたメールを10通以上送られて、メールボックスがパンクしたことがある。あまりの非常識ぶりに笑ってしまったが、メールボックスが一杯になったことに気が付かなければ、他の重要なビジネスメールを受け取れなかった可能性もあるので怖いところだ。

 メールにファイルを添付する際は、相手が余裕を持って受信できるようなサイズに抑えるべきなのだ。標準で10MBと考えその半分の5MBなら、許容ラインと考えてよいと思うのだが、いかがだろうか。

Gmailで送受信できるファイルサイズは25MBまで。とは言え、他の人が受信できるとは限らない

スマートフォンで受信する人のことを考える

 2番目に考えたいのが、相手の受信環境。PCなら、あまり気にしなくていいだろう。しかし、今やビジネスパーソンなら全員スマホを持っている。当然、外出先で添付ファイルのあるメールをダウンロードすることもあるだろう。そうなるといろいろ注意点が出てくる。

 まずは、通信量。大手キャリアだと1か月間に7GBまでというリミットがあり、オーバーすると速度制限がかかって非常に不便な状態になるのだ。契約内容によっては、3日間で通信量1GBを超えると制限をかけるという恐ろしい制約を課している。また、最近はやりの格安SIM(MVNO)を使っている場合、月間の通信量はさらに少なくなる。

 あと少しで制限にかかりそうなので節約しなきゃ、と思っている時に容量の大きな添付ファイルを送り付けられると目も当てられない。もちろん、端末側でダウンロードの有無は設定することもできるのだが、何も考えず落としてしまう人も多い。それで制限にかかったら逆恨みされてしまうかもしれない。

 通信速度が高速化して便利になったのに、少ない通信量制限であっという間にリミットに達してしまう。昔は貴重な通信帯域をいかに効率的に使うか苦心していたが、1周して今もそんな苦境の時代になっている。速度は10分の1でいいから、制限を10倍にして欲しいところだ。

 では、どのくらいなら問題ないだろうか。ウェブページ1ページ分、1〜2MBなら負担も少ないし、文句は出ないだろう。スマホの写真1枚分、1.5〜2MBでも大丈夫。それ以上だとケースバイケースになる。どちらにせよ、5MB以上のメールを扱うのは現実的ではない。例えば大きなサイズのPDFファイルだと、パケットを消費するだけでなく、ストレージも圧迫するし、閲覧アプリで開いても動作がもっさりしてしまうのだ。

スマホでメールチェックする人が増えたので、通信量を無駄に圧迫するような添付ファイルを送るのはNG


(次ページ「メールサイズは添付ファイルのサイズより大きくなる!」へ続く)

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