カシオファンの存在こそ最大の資産
一方、樫尾和宏次期社長は、「売上高5000億円、営業利益750億円という節目の数字を早期に達成すべく、新会長の指導のもとに全力を尽くしたい」と語る。
そして次のように語る。
「カシオ計算機にとって、最大の資産は、カシオファンの存在。社是である『創造 貢献』のもと、ファンの期待を超える製品を作り続けることで、新たなカシオ計算機を作り、社会貢献をしていきたい」
和宏次期社長が課題としてあげるのが、時計事業に偏りがちな事業構造だ。
「コンシューマ事業とシステム事業で、柱になるような製品を作ることが最大の課題である。これらの分野においても、カシオらしい製品を作りたい」とした。
カシオらしさとは“オハイオ”である
では、和宏次期社長がいうカシオらしさとはなにか。
和宏次期社長は、それを「オハイオ」という言葉で表現する。
これはある演出家の言葉だというが、「面白いモノ」「初めてのモノ」「意味のあるモノ」「驚きのあるモノ」の頭文字を取った言葉だ。
「こうしたカシオ計算機でなくてはできないものを作りたい。カシオファンに満足してもらえるような、オハイオにつながる製品を作っていきたい」とする。
宏次期社長は、1966年1月22日生まれ。慶応義塾大学理工学部卒後、1991年4月にカシオ計算機に入社し、米国販社への勤務や新規事業の立ち上げなどに関与。2007年6月、執行役員経営戦略担当、同年7月、執行役員経営統轄部副統轄部長、2011年6月に取締役執行役員DI事業部長を経て、2014年5月に取締役専務執行役員コンシューマ・システム事業本部長に就任した。
27年ぶりの社長交代で、カシオ計算機はどう変わるのか。具体的な成長戦略をどう描くのかが注目される。
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