
今回のことば
「カシオらしさとは、『オハイオ』。カシオ計算機でなくてはできない、『オハイオ』につながる製品を作っていきたい」(カシオ計算機・樫尾和宏次期社長)
樫尾一族がどうの、というわけではない
カシオ計算機の新社長に、樫尾和宏取締役専務執行役員が就任することが発表された。26年間社長を務めてきた樫尾和雄社長は、代表取締役会長に就任する。新社長は、和雄社長の長男であるが、樫尾4兄弟時代からの新たな世代にたすきが受け継がれたともいえる社長人事だ。
樫尾和雄社長は、「社長候補はほかにもいた。だが、実力から見ても、適任であると考えた。樫尾一族がどうの、というものではない」と語る。
86歳の現社長から、49歳の新社長へは、大幅な若返りとなる。
私自身もそんなに長く社長をやっていくわけにはいかない
社長交代の理由は、2016年度からスタートする新たな中期経営計画を、新体制で実行したいという和雄社長の思いがあったからだ。
社長交代が発表された5月12日には、2014年度の連結業績が発表されたが、ここでは、過去最高の最終利益を計上した。
同社では、2015年度を最終年度とする中期経営計画「V15」を推進。営業利益率15%を確保する事業体質への転換を目指してきた。
和雄社長は、「これで終えるのではなく、通過点として、さらなる向上を図りたい。2014年度は367億円の営業利益となったが、これをむこう3年間に倍増させ、750億円の営業利益を目指す。売上高は5000億円を目指す」と語り、「私自身も、そんなに長く社長をやっているわけにはいかない。この計画を新体制でやっていくことにしたいと考えた」とする。

この連載の記事
- 第430回 富士通PC事業、新社長はレノボから……日本のPCは変わる?
- 第429回 物理世界をデジタルの世界にどう引き込むか、グーグル・クラウド・ジャパン平手智行代表のことば
- 第428回 顔認証や電子チケットで快適熱狂型の観戦を、ジャイアンツ×東京ドームDXプロジェクト
- 第427回 テレワークとGIGAスクール背景にレノボが躍進、決め手は調達力?
- 第426回 コロナウィルス飛沫シミュレーションにも活躍した富岳、その負荷はまだ1/6程度
- 第425回 海外から撤退後、ふたたび世界を見すえるVAIO、新VAIO Zは日本特有のニーズだけでなく世界に問う製品
- 第424回 教育分野での存在感高まるグーグル、CEOもChromebook/仮想授業の広がりに驚き
- 第423回 廃校や寺、城、無人島まで、あらゆる場所を15分単位で借りられるSPACEMARKET
- 第422回 コロナ禍でオフィスはどう変わったか? 大塚商会の決算から垣間見えること
- 第421回 コロナ禍が変えたPC市場とは? 日本HP、岡社長の言葉から
- 第420回 アイリスオーヤマがロボット事業に本格参入、B2B Robot as a Service
- この連載の一覧へ