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ドスパラがリアル店舗にこだわる理由とは?

お客様は物が欲しいわけではない、ドスパラ西尾社長のPC観とは

2015年04月23日 19時00分更新

文● 貝塚/ASCII.jp

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── 若年層が多いということなら、ゲーミングPCのように用途が明確な製品に対する関心がより高くなりそうです。最近ではSteamなどへの関心も高まっています。

 「(若年層がゲーミングPCに高い関心を持っていることは)間違っていないと思いますよ。パソコンでゲームをするのは30~50代の方が中心だろうと想像していたのですが、アンケートを実施してみると、20代の自作ユーザーが意外に多くて、驚いた記憶があります。

 私自身は、DTM(デスクトップミュージック/PCを活用した音楽製作)から自作の世界に入ったんですけど、今はそれが、ゲームという方が多いんだと思います。確実にそういう流れがあります。

 ハードウェアが進歩する一方で、『ハードの進化の速度が落ちている』とか、『これからはクラウドだ』だったり、PCが変わっているという話もありますが、やっぱり、グレードの高いハードウェアの需要がなくなるということはないと思うんです。

 たとえば、動画を編集して動画サイトに投稿することなんかも当たり前になってきていますが、そういうことをしようと思うと、それなりにスペックが要求されるものですし」

── 私も断然ローカル派なので、オンラインストレージではなくて、高速なSSD。無線LANよりは安定して早いGigabit Ethernetなどと考えてしまいがちです(笑)。

 「はい。もちろんクラウド派のお客様の要望にも積極的にこたえていきたいと思っていますが、たとえば、今後必ずくる『4K動画』の編集。これをクラウド上でというのはまだまだ難しいと感じています。

ドスパラは低価格タブレットの販売にも力を注いでいる。

 今後、パソコンの主流はタブレットに移行して、デスクトップPCはどんどん消えていくという話も聞きます。となると自作は……と考えがちですが、もし仮にパソコンの主流がタブレットになったとしても、それは様々なデジタルコンテンツを皆が気軽に受け取れる環境が整うということです。

 そうなると作る側、つまりコンテンツそのものが増えていくのだろうと考えているんです。だからそのために必要となる、グレードの高いパーツへの需要は、決してなくならないと思いますね」

── ドスパラとして注力していくジャンルは何でしょう? PCは多様化していて、スティック型だったり格安の小型PCなども登場してきています。

 「スティック型のPCやNUCも、注目しているカテゴリーです。しかし、やはりまずは、Windows 10ではないでしょうか? Windows 10が登場して、パソコンの市場はまたゆるやかに変わっていくだろうなと感じています。デバイスのサイズに合わせた仕様の違いはあっても、ひとまず、スマートフォンでも、PCでもWindows 10が動いているという状況が訪れる。

 そうなってくると、『やっぱりスマホじゃできないことってあるよね』だったり『PCならではのことを楽しみたいよね』という感じになると思うんです。ひとつは、メディアサーバーとして自宅でPCを動かして、出先のタブレットで動かすとか、そういったことはもっと簡単に、気軽にできるようになると思いますよ。

 もっと日常の中にアプリケーションが入り込んで、それらを連携させる。きちんと活用しようと思うと、PCが必要になってくる……そんな流れになるかと思うんですよね。すこし飛躍してしまいましたが(笑)」

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