E235系、山手線での走行試験が始まった
JR東日本が2014年の7月に量産先行車の製作を発表した新型通勤電車「E235系」。今秋よりJR山手線での営業運転開始が明かされているが、すでに山手線での走行試験が始まっている。
「お客さま、社会とコミュニケーションする車両」をキーワードにデザインしたというE235系。現在山手線を主に走っているE231系と比べてどこが変わったのか、利用者の視点を中心に、大まかに見てみたい。
椅子が広くなり、中吊り広告はなくなる
主な変更点は3つ。1つ目は利用者サービスの向上だ。優先席をおよそ1.5倍に増設するとともに、新たに「フリースペース」を設置。該当箇所の床をピンク色にすることで視認性も高め、車いすやベビーカーの利用者が乗車しやすくしている。
また中吊り広告を廃止し、広告はデジタルサイネージ化。行先表示装置はフルカラー化する。またE231系の腰掛け幅は1人あたり約45cmだが、1cm拡大し、約46cmになった。
2つ目は環境への配慮。主制御器に「SiC」という半導体素子を使うことで、電力のロスや、ブレーキからの回生時のエネルギーを低減。また照明には引き続きLEDを採用することで消費電力を落としている。
また主にブレーキ制御に用いるコンプレッサーは、油を利用しないオイルフリーのものを採用。油漏れや廃油の処理といった問題を解決している。