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宅急便に入っている発泡素材のあれが良好な炭素電極

“パッキングピーナツ”がリチウムイオン電池の性能向上

2015年03月25日 13時09分更新

文● 行正和義/ASCII.jp

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パッキングピーナツを炭化させれば良質なリチウムイオン電極に

 米パデュー大学(Purdue University)は3月23日、梱包材「パッキングピーナツ」を用いて高性能リチウムイオン電池を製造できる可能性があると発表した。

 パッキングピーナツは、商品配送の梱包に用いれられるピーナツ(というよりもカシューナッツに近い)形状の発泡素材で、材料はポリスチレン。パデュー大学の研究チームは触媒下で約500~900度で加熱して炭化させたて炭素ナノ粒子を製造したところ、リチウムイオン電池で一般的に利用されているグラファイトよりも高いリチウムイオン貯蔵性能を示したという。

 炭素ナノ粒子の多孔質構造がリチウムオンの吸蔵に貢献しているとみられ、発泡素材由来の炭素ナノ粒子をシート状に加工して炭素陽極を製造したところ、グラファイトの理論容量(372mAh/g)よりも高い420mAh/gの最大比容量を示し、電気化学的にも安定した性能だという。

 にわかには信じがたい研究結果だが、大量に消費される梱包材のリサイクルと考えれば既存素材と同等程度の性能でも十分価値がありそうだ。研究チームでは、パッキングピーナツは現在のところ生分解性のデンプン素材が流通しているが、環境に優しいといっても廃棄されれば汚染に繋がることになるのでリサイクル利用は有効だという。

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