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2015年の転換期、メーカーはパソコン市場をこう考えている 第4回

多くのユーザーの声を聞いてさらに高みを目指す

今年の東芝は“本当に使える”を目指したタブレットで攻める

2015年02月26日 09時00分更新

文● 八尋/ASCII.jp

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自社開発の搭載アプリ「Truシリーズ」

── ビジネスでもしっかり使えるようなタブレットとのことですが、デジタイザー以外に、ビジネスマンにとって便利な機能などあったら教えてください

寺内 「ハードウェアが良くても、買ってすぐ使えないとどうかなという点がありまして、「Truシリーズ」というアプリを搭載しています。手帳の代わりを目指したノートアプリ『TruNote』、会議室で使っている配布資料やホワイトボードを撮影するカメラアプリ『TruCapture』、ボイスレコーダーの代わりに使える『TruRecorder』などがあります。

TruNoteのサンプル

 TruNoteは、単に紙のように書けるだけだと、紙に書くほうが安上がりになってしまうので、デジタルならではの付加価値をつけるために用意したアプリです。ディスプレーをタップするとすぐメモ帳が立ち上がります。ノートをとる時はそれだけに集中してもらって、後で部分的に色やフォントを自由に変えて整理できます。

 また、書いている最中に文字変換などをしてしまうとどうしても書くことに集中できないので、後で選択した部分だけ文字認識してメールやPower Pointなどのアプリケーションに入れ込むことができます。手書きのノートを手書きで検索することもできます。

 ノートでとったものが無駄にならないでシェアできたり、プレゼンできるアプリを目指して作ったアプリになります。使い方としては機能を極力抑えて非常にシンプルですので、使い方を知らなくてもある程度使える形になっています。

 TruCaptureは、ホワイトボードなどに書かれたものを撮影して、台形補正などが可能です。白地を抜いて読みやすくしたりできます。また、活字の認識機能についてはOCR機能が付いていますので、選択すればメールで送ったり、Power Pointに貼り付けたりできます。

TruCapture。ホワイトボードなどに書かれた資料の保存に最適

 TruRecorderは今回初めて搭載した、ボイスレコーダーアプリです。このアプリでは、波形ではなく会話の単位を切ってくれて、会話がどこにあるかや、聞き直したい部分に印をつけることができます。また、弊社の技術を使って、話者を識別してくれる機能を搭載しています。これにより、聞きたい人の音声だけ聞くことができ、書きおこしなどが楽になります。高速再生やゆっくり再生するなど特殊再生も可能です。これは弊社のAV機器の特殊再生の技術を取り入れています。

TruRecorder。話者を識別してくれる機能を搭載

 タブレットに2個マイク付いていて、音の到達時間を計算して声の場所を判別します。ただしそれだけだと同じ方向の人が識別できないので、弊社の別の技術を使って、話者の声の特徴を抽出して判別する機能も使用しています。タブレットなのでタッチ操作でランダム再生が簡単にできるのも特徴ですね。

 このように書いて、撮って、録音するデータを全て1台で取り込めるというのが今回の売りであり、一番苦労して実現している部分でもあります。

(次ページ「dynabook Tab S90/S80/S68は3つの研究所の総合力」へ続く)

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