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「社会ソリューション事業」の基盤を担うデータセンター事業を強化

NEC、神戸データセンター新設とクラウド海外展開強化発表

2015年02月18日 06時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 NECは2月17日、「NEC神戸データセンター」の新設と、海外におけるデータセンター/クラウド事業の強化を発表した。同社が推進する「社会ソリューション事業」の基盤を担うデータセンター事業の強化が目的。

西日本に“フラッグシップデータセンター”を新設

兵庫県神戸市内に新設される「NEC神戸データセンター」外観予想図

 大阪駅から約1時間でアクセスできるNEC神戸データセンターは、免震構造を持つ地上6階建ての建屋で、マシンルームは4000平方メートル、収容ラック数は1500。昨年1月に開設した「NEC神奈川データセンター」(関連記事)と並ぶフラッグシップデータセンターとして、クラウドサービス「NEC Cloud IaaS」やハウジングサービスを提供する。

 ファシリティの耐災害性を高める対策として、自治体が定める洪水/土砂災害/液状化のハザードマップ被害想定区域外に立地しており、満床時最大72時間の無給油連続運転が可能な自家発電装置を備えるほか、電源設備も冗長化されている。日本データセンター協会(JDCC)が定めるファシリティスタンダードでは、最高レベルの「ティア4」に当たる。

 また高いセキュリティと利便性を両立させるため、NECの赤外線カメラと顔認証システム「NeoFace」を組み合わせた入退場管理システムを採用。「ウォークスルー顔認証」で入館時/入室時にスムーズな本人確認を可能にすると同時に、不正侵入を防ぐ。さらに、不正作業も防止するため、ログインID管理システムや証跡管理システムを活用していく。

NEC神戸データセンターでは顔認証システムを採用し、スムーズな入退場/入退室ができる「ウォークスルー認証」を実現している

 データセンターの効率化/省電力化を図るため、省電力/高集積サーバー「Micro Modular Server」(関連記事)や「相変化冷却ユニット」(関連記事)といった同社技術を積極的に導入する方針。加えて、地下冷気(地下の免震層を通過させて冷却した外気)や太陽光発電、NECエナジーソリューションズ製の蓄電システムなどを活用することで、国内データセンターとしては最高クラスのPUE 1.18(設計値)を実現するとしている。

データセンター事業のグローバル展開も進める

 今回の発表では、データセンター事業のグローバル展開強化の方針も明らかにされている。

 まず、NECの海外現地法人や、現地企業との合弁会社が保有するデータセンターに加え、国内外パートナー企業との協業によりデータセンター拠点を拡充する。さらにCloud IaaSや神奈川データセンターの設計/開発/運用で培ったノウハウや技術を「クラウドリファレンスシステム」として整備し、顧客やパートナー企業のクラウド基盤サービス立ち上げを支援する。運用プロセスをグローバルで標準化し、均質なサービスの提供も図る。

 また、これらの国内外データセンターを結ぶデータセンター間ネットワークを構築し、SDN活用で仮想化することで、低コストかつ迅速なデータセンター間ネットワークリソースを提供していくとしている。

 NECでは、これらの取り組みを通じて、クラウド基盤事業において2017年度に1200億円の売上を目指すと述べている。

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