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電力を使わずラック排熱の半分を室外へ移動、高密度搭載ラックの冷却にも有益

ラック空調電力を30%削減!NEC「相変化冷却ユニット」発売

2014年12月05日 14時00分更新

文● TECH.ASCII.jp

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 NECは12月4日、サーバーラックの排熱を効率的に移動させることで、ラックあたりの空調電力を30%程度削減可能にする「相変化冷却ユニット」を発売した。既設の一般的なサイズのラックに取り付けが可能で、一般的なシステムで約50%の排熱を電力を使わず室外へ運ぶことができるとしている。

ラック背面(リアドア)に取り付けられた「相変化冷却ユニット」

 相変化冷却ユニットは、NEC中央研究所の独自開発技術である「相変化技術」を採用した製品(関連記事)。幅700mmまたは600mmのラック背面にリアドアとして取り付けられ、装置内の冷媒が気化することで排熱を回収、配管を通って室外へ移動したところで液化、熱を放出する。気化した冷媒は浮力で室外へ移動、液化して重力で室内に戻る仕組みとなっており、循環には電力を使わない(自然循環)。

 同ユニットを利用することで、一般的なシステムでは排熱の約50%を電力を使わず室外に運び出すことが可能。これにより、空調電力コストを削減できるほか、従来の空調機では冷却しきれなかったサーバーを高密度搭載したラックの冷却も実現する。

 NECでは「NEC神奈川データセンター」(関連記事)の一部で相変化冷却ユニットを導入しており、冷却に必要な電力を従来比で約30%削減できたと試算している。また、統合型システム「NEC Solution Platforms」や「Cloud Platform Suite データセンターパッケージ」などの高密度搭載製品でも採用している。

 ラックあたりの発熱量に応じて、30KW向けの「相変化冷却ユニット(TYPE-A)」、15KW向けの「同(TYPE-B)」がラインアップされている。価格(税別、配管施工費含む)は、TYPE-Aが800万円から、TYPE-Bが550万円から。出荷開始は12月26日からとなっている。

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