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輸入に頼るリンを再資源化するとともに、将来的には牧場発電も

岐阜大、微生物燃料電池により畜産廃液からリン回収に成功

2014年12月03日 16時56分更新

文● 行正和義

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微生物発電のしくみ

 岐阜大学は12月2日、微生物燃料電池により畜産廃水からリンを回収することに成功したと発表した。

 微生物燃料電池は、微生物が有機物を分解する際の電子移動で発電するしくみ。岐阜大流域圏科学研究センターの研究グループは、実際に豚の糞尿を含む畜産廃水によって微生物燃料電池を動作させ、正極側の電極から廃水に含まれるリン回収することに成功した。

 リンは植物・動物の代謝に必要な元素であり、化学肥料として農業には欠かせない資源であるが日本では全量を輸入に頼っている。近年では資源としてのリン鉱石が枯渇する可能性に加え、主な輸出国の中国が関税を掛けて国際価格が上昇した経緯があるなど、レアアースのようにいわゆるチャイナ・リスクの危険性もある。このため、洗剤を含む生活排水や排泄物を含む下水、または各種産業廃水からリンを回収して再資源化する技術はさまざまな企業や大学で開発が進めれている。

 また、畜産廃液として自然環境に放出されたリン化合物は河川や海の富栄養化を進め、微生物の大量発生による赤潮といった環境汚染を引き起こす原因となる。微生物燃料電池による畜産や生活廃水の処理は、リンの回収と廃水浄化という利点があり、発電によって廃水処理の省エネ化に役立てることができる。岐阜大では、現在は実験室レベルでの動作ではあるものの10~20年後の実用化に向けて研究を進めるとしている。

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