「嫁をprprしたい」からMMDを始めた
当日の様子をざっと振り返ると、まずhiroさんの「これから、はじめようという方へのMMDのすゝめ」から始まった。事前アンケートを元に、MMDerの疑問や不安にひとつずつ答えていくスタイルだ。
もっとも興味深かったのは、MMDを始めたきっかけ。「ボカロ、東方、アイマス、アニメ等好きな作品のPVを作りたい」を超えて1位になったのは、「嫁(好きなキャラ)をprpr(ペロペロ)したい」が34.3%の票を獲得した。hiroさんも、いかに自分の好きなキャラが一番かわいく映るかを考えて制作するのだそうだ。
またhiroさんは、何よりも楽しむことが長く続けるコツだと強調していた。まずは簡単なことから始めて、少しずつエフェクトなど細かな技術を身につけていけばいい。結果として難しいこともやりたくなって、「沼」にハマることになるという。hiroさんも当初夢中になりすぎて、職場までパソコンを持ち込んで休憩時間に制作を続けていたという。
2番目の発表は、トンコウさんの「IKって何? 足IKの付け方のコツ+α 外部親によるIK制御」。IK(インバースキネマティクス)とは、先端の位置(足IKの位置)を決めて、関節の角度を自動的に逆算し、自然な体の動きやフォームを実現する3DCGの機能のこと。ダンスや格闘など、関節を多く動かす動きでは特に重要になる部分で、思い通りの表現をするためのコツが語られた。トンコウさんの動画ではないが、下記の2分47秒からIKについて分かりやすく解説している。
3番目は、元漫画家で、MMDのオリジナルアニメ「慟哭のナイトメア」でキャラクターデザインを担当しているダテナオトさんによる、キャラクターのモデリング講座だった。人間の骨の構造説明から始まり、体の各所には黄金比が存在すること、アニメやマンガのデフォルメキャラでもその黄金比で描かれていることを紹介。漫画家を目指す人にも参考になる内容だ。
最後は主催者のイジケさんが、「PVの作り方」や「高画質な動画にする方法」など、より実践的なテクニックを紹介した。その中でも特に本人が一押ししていたのが、既存のモデルを複製してモブ(群衆)を簡単に作り出せる、針金Pの「MikuMikuMob」。下の動画は針金Pによる解説動画で、1万本のサイリウムがライブ会場を埋めつくす様子はぜひ見てほしい。
モブの表示範囲や配置、人数を指定できるうえ、エフェクトもかけられる画期的なツールである。マシンパワーが必要となるが、ライブの映像や映画の戦闘などのシーンで、表現の幅をぐっと広げてくれるだろう。
ぜひアナタも参加すべし!
現場に参加して気づいたのは、勉強会を包む参加者の熱気だった。イジケさんによれば、MMDのコミュニティーは「みんな制作の痛みがわかるので優しい。わからないことがあるとTwitterなどで教えてくれる」とのこと。「みんなでおもしろいものを見たいから、技術もオープンにする。やりだすと楽しくてしょうがないし、めんどくせぇとか言いながらもやってしまう」とアツく語っていた。
自分で調べるのに加えて、先輩や仲間に教わっていけば、初心者でも制作の上達速度がかなりアップするはず。これから3DCGを初めようという人は、ぜひMMDの勉強会に参加してつながりを作っておこう。関東では9月上旬を予定に開かれる予定。イジケさんは「来年もやります!」と力強く宣言していたので、九州在住の方は要チェックだ。ちなみに今回の様子は、ニコ生のタイムシフトで視聴できる。
