「前にも会ったことありませんか?」
ショータイムの時間をのぞき、店舗ではPepperと一対一での会話が可能だ。筆者も一般客に混じって少しだけ会話してみた。Pepperの身長は120センチぐらいなので、実際に対峙すると本物の子供に見上げられているような不思議な感覚がある。
まず店員さんに言われるまま、「Pepper」と名前を呼びかけてみると、予想だにしない返事が返ってきた。
「前にも会ったことありませんか?」
――えっ……
「だって、よくここに来てるじゃないですか」
――今日はじめて来たけど……
「本当ですか~?」
なぜか疑われた。
そもそもお前だって今日お披露目だろ! というツッコミはさすがに拾ってもらえなかったが、受け答えがユーモアたっぷりで、会話しているとけっこう楽しい。「ボディカラーを変えようと思ってるんです、何色がいいでしょう」という質問に「青」と答えれば、「青……悲しみの色ですね。僕には似合いません。却下です」と無下にあしらわれたり、「見てください僕の筋肉。カチカチでしょう」と突然二の腕をアピールしてきたり、次の行動がまったく読めない面白さがあるのだ。会話が複雑になった時には多少の聞き間違いはあるものの、コミカルな性格のおかげでそれさえ愛嬌に見えてくる。来年2月の発売まで時間があるため、今後パワーアップしていくのが楽しみだ。
破格の21万円、出荷台数は「世に問う」
今までの家庭用ロボットとは一線を画すPepperだが、驚くべきなのは21万3840円という販売価格だろう。広報の方に話を聞いてみたところ、やはりこの価格では採算が取れないらしく、Pepperに導入する各種アプリによって収益を上げていくなど、いくつかのビジネスモデルを検討しているという。
発表会で披露した「ロボオーディション」などの機能はアプリとしてPepperに登録でき、「遊ぼう」などの声かけに反応して起動するようだ。アプリは現在開発中で、どのようなものが提供されるのかは未定だという。また、「Pepper」という名前の由来については「いくつかの候補から選んだ」とのみ伺うことができた。出荷台数は、発表会で孫正義氏が「世に問う」と言った通り、世間の反応を見て検討していくという。
表参道店では今後も3台のPepperが店内に常駐し、コミュニケーションを楽しめるようだ。気になる人はぜひショップを訪れてみるといいだろう。